DISC INFO INTERVIEW COMMENT CAMPAIGN
 「自由って、せつなくないですか?」について、たくさんのコメントありがとうございます。一部公開されているものを読んで、どの意見も「なるほどな」と思うものばかりで、今さらながらつくづく「深いな」なんて思っています。
 このフレーズをこうして何度も何度も口に出していると、自由、という言葉の意味そのものの輪郭が浮き出たりぼやけたりを繰り返し、不思議な質感になっていくのを感じます。もちろん正解がある問いではありませんが、この曲は普段使い慣れている「自由」という言葉の指すものについて、改めて探る機会に繋がっているように思います。
 自由、の意味は、こども時代、10代、20代の頃、そして30代に入ってからの私、それぞれに少しずつ解釈が変わってきているのだと気づいたりもしました。もしかしたらこれからも変化し続けるのかも。
 自由の使い道は自分次第。無限の可能性の中から何かを選び続けていくのは、とても厳しいことだと、実に思います。
 しかしあえてここに、2012年現在の私の正直な想いを書くならば。これまの人生でもっとも自由に近いと思えるのは、今です。世界の狭い10代、色々がんじがらめの20代があって、今は少し解きほぐされた30代に突入したところ。だからそこに漂うせつなささえも、ちょっと気持ちいい。もう少しで触れそう、もっと知りたい、もっと欲しい、と欲張りになっている感じもあります。ひょっとしたら私より人生の先輩である岩里さんは、更にその先にある自由のニュアンスを知っていて、このフレーズを生み出しているのかもしれません。
 たくさんの想像と思考、過去と未来を連れてくるこの1曲は、なんだか遠くを見ながら聴きたくなります。発売になりました。どうか聴いてみてくださいね。
坂本真綾