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〜曇り。

森田が相当落ち込んでる。彼のibookのハードディスクが認識されなくなってしまったのだ。アップルストアに持って行き " とにかくデータを救出したいのでHDを取り出してくれ " と修理を頼んだらしいのだが、結局HDは戻って来ず、しかたなく新しいHDをマウントしたようだ。泣くな、森田。「December」の続き。アコースティックギターとガイドVoを入れ、たっしんがスライドを決める[注78] 。エコーチェンバーの響きが絶品。夕方、カーウイン[注79] が来てくれる。リアムが紹介してくれたピアノプレイヤーだ。とても素敵な演奏。テンポが遅いのに、その間を全然気にぜずにゆったりとたゆたう、やさしい演奏だ。みんなでアイスクリームタイム、今日はマンゴーアイス。続いてベースダビング。リアムとのセションでは7曲中6曲、バーンズというメーカーの青いベースをピックで弾いてる。慣れないミディアムスケール[注80] 、ピック[注81] 、フラットワンド[注82] 。リアムの音像は中音域がキモ、ベースは低域をどっしり支えるというより、リズムをくっきり出し、メロディックに歌うイメージだ。さとちゃんはどんな楽器もとても上手に操る。たぶん見えないところでもの凄い練習をしているはずだが、センスも抜群なのだ。歌録りは月曜に持ち越し。メンバーはこっちに住んでいるミュージシャン(K・Hさん)とライブへ。僕と森田は日本食。
ウエイトレスが岩石のようだった。

[注78] ボトルネックバーという指サックのようなものを左手の指にはめて「ぴょ〜〜〜ん♪」という独特な音色・フレーズを生み出す奏法。たっしんのそれは絶品で、ライブでは「東京」などで聴ける。
[注79] Carwyn Ellis:ロンドン在住のミュージシャン、ピアノの他ギターやベースも弾くマルチプレイヤー。
[注80] 通常のネックよりも短い。
[注81] さとちゃんは指弾きが圧倒的に多い。
[注82] フラットワウンドという弦の種類。昨今ポピュラーなのはラウンドワウンドという種類でサスティーンが長く、倍音が豊富で、ブライト。対してフラットワウンドは音が伸びず、倍音も少なく、どちらかというと " ぽこっ " とした音が特徴だが、これをピックで弾くとミッドレンジが強調され、なんとも言えない響きとグルーブを生む。初期ビートルズのポール・マッカートニーがまさにこれ(ホフナーのバイオリンベースにフラットワウンドを張り、ピックで弾く)。この弦は肌触りというか指触りが " のぺっ " としていて、演奏するのがすごく難しい(気持ちわるい)のだが、さとちゃんは上手い。リアムはとにかくベースはピック弾きに限る、と信じているようで今回のセッションでさとちゃんが指で弾いたのは「Bus To Finsbury」のみ。