扇 愛奈
ニッポンの150cm
8/24にミニアルバム『扇愛奈入ります。』でデビュー。
圧倒的なヴォーカルパワーと、他のアーティストとかぶらない特異な存在感から、新人ながらにして大型露出を多数獲得。
1/1発売のシングル『輪廻』は同名のホラー映画“輪廻”の主題歌に大抜擢!
2/1発売のシングル『レトルト』は初のバラード曲ながらも、日本テレビでWタイアップを獲得!
『スタンプラリー』『輪廻』とハードで勢い系のロックサウンドを全面に見せてきたが、この『レトルト』で扇愛奈の新たな一面を見せ、アルバムへの期待感が更に膨らませる作品。
アルバムのサウンドプロデューサーは上田ケンジ。
参加ミュージシャンとして、扇愛奈セッションの定番メンバーとなったLA-PPISCHの杉本恭一・元speenaのひぐちしょうこ・アレンジャーとしての実績も名高い十川知司らに加え、筋肉少女帯の内田雄一郎、ソウルフラワーユニオンの奥野真哉、本人の憧れであったのクハラカズユキら豪華メンバーが参加している。
昨年の夏に5曲入りのミニ・アルバム『扇愛奈入ります。』で鮮烈なデビューを飾った彼女。だけど「あれはまだまだ入門編!」と語る通り今作『ニッポンの150cm』では更なる衝撃が走る扇ワールドが展開されている。既に100曲を超える自作曲の中でも、選りすぐりの濃いキャラを集めた13曲。まずは何曲かピックアップ解説すると――彼女が高校時代に作り、デビューするきっかけにもなったM①「17才」でのハイテンションな幕開け。M④「片付けられない女」は憧れのクハラカズユキとのセッションでストレートなロックに仕上げた。M⑤「靴ずれソナタ」は重くて大きなラバーソウルをひきずって歩きながら、ロックであることに少し居心地の悪さを感じながらも自分を貫こうとするナンバー。女の子ならば誰もが持ってる“しおらしさ”全開に仕上がったM⑥「レトルト」のアルバム・バージョンはしみじみと泣けるし、何故にこんなにシリアスで演歌調の歌いまわしなのか!?と驚かされるM⑧「旅情」は高校の修学旅行の際に集団食中毒になり、具合が悪くて意識が朦朧としてる中での壮絶な思い出を書いた曲。友情を爽やかに綴ったポップ・ソングM⑨「六本木通り」も新鮮で聴きどころ満載。特に、ささやかな幸せを歌った初のアコースティック・ナンバーM⑪「うれしい昼寝」で響かせた切実でナチュラルなヴォーカルは多くの人の心の琴線に触れるはず。賛美歌、歌謡曲、ロックから演歌にいたるまで、どこからメロディが飛び出してくるかわからない音楽性の幅広さはもちろん、それらを歌いこなす圧倒的な歌唱力、そしてソングライターとしての視点の広さと表現力まで、今の扇愛奈の魅力が存分に発揮された1枚に仕上がった。そして今作を通じて“そのままの自分を認めてほしい”そんな気持ちが聞こえてくる。
「強くなりたいって言ってる弱い人の歌ばっかりなんですよ。日々眠れなくなるほどある、その摩擦が私のロックを生み出してて。みんなが思う幸せを手にすることが強くなるってことなのか、自分を貫くこと自体が強くなるってことなのか。その答えは出ないんですけど。とにかく日々の自己嫌悪も曲にするんです。私は変な子だしネガティヴだけど、人に伝えてる瞬間に、どんどん強くなっているから」と自覚する。デビューしてライヴを重ね、こうしてファースト・アルバムを作り終え、また何かヒントを掴んだようだ。
「これからもロックを中心に変なところにどんどん首を突っ込んで、人がやらないような面白い曲をどんどん作って世界を広げて行きますよ。このアルバムを聴いて、扇愛奈はバカだって思ってもらえるといいな(笑)。もっともっと裏口から攻めて、痛いとこ突いて行きます!」――“強くなりたい”その気持ちが自分の中で摩擦を起こしてロックになる。そんな彼女の等身大の、まさに『ニッポンの150cm』から叫んだオリジナリティ溢れるサウンドとメッセージを是非とも受け取って。こんなに笑えて泣けて汗かける突拍子ないアルバム、扇愛奈にしか作れません!!
上野三樹