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2022.09.04

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_3

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_3

M3 楽園狂想曲

極めて緻密かつ難易度の高いテクニカルなアレンジでありながら、バンドならではのダイナミクスと瑞々しい衝動がエネルギッシュに迸るアンサンブルがとにかく素晴らしい、5人のミュージシャンの凄みがはっきりと体感できる楽曲。息つく間もない緊迫感のある演奏でありながら、音をかき鳴らす歓びが至るところに溢れ出していて、大きなカタルシスをもたらしていく。現時点でのThe Ravensの真骨頂と言っていい、このバンドの比類なきアンサンブルを堪能することができる楽曲だ。

武史「一番最初に思ったのは『ムズっ!』っていうことで。まぁThe Ravensの曲は大体そうなんですけど(笑)。でもこの曲はコード感もすごいし、自分の中にはない感覚の曲でしたね。あと、建志が指揮者やってるみたいな、そういうイメージはあったかもしれない」

渡辺「“狂想曲”という言葉がタイトルについてること含め、僕もどこかクラシカルなイメージはあって。最後の転調するところもなんかベートーヴェンみたいだなと思ったし。だからピアノでそういう

ところを表現できたら曲全体が凄く立体的になるだろうと思ってああいうピアノになったんですけど、そうしたら弾くのがめちゃくちゃ大変で」

Kj「音楽的には難易度高いよね。だけど、普通に聴いたらすげぇアッパーな曲だなって捉えられる曲なんじゃないかなと思ってて。そういうのが一番いいなと思うんだけど。だから俺の中ではこのアルバムで一番オルタナな楽曲でもある」

櫻井「俺はとにかく、『建志、遂に転調した!』っていうのが第一印象。長年やってきたけど初めてだったんで、最初にデモ聴いた時に思わず『え、転調したんだけど!?』って声が出た(笑)」

Kj「俺の中で、作曲家人生で何回もやっちゃいけないと思ってる方法論がいくつかあって、それがカノンコード進行と転調なんだけど。何度もやるものじゃない、だけどその代わりやった時にはある程度評価を受けないともう二度とできなくなる方法論。で、カノンはやったことあるけど転調は今まで一度もやったことがなくて、それをThe Ravensで絶対やりたいと思ってたのね。今回のアルバムはめちゃくちゃいろんなコード進行を使ってるんだけど、ピアノがいるとコード感をあざとくなく聴かせることができるから。なので、この曲はハナから転調するって決めて作ってる。アンサンブルに関しても、この曲は現時点でのひとつの到達点っていう気はするね」

有泉智子(MUSICA編集長)


The Ravens『ANTHEMICS』

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