The Ravens
The Ravens

NEWS
ニュース

2022.10.15

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_12


The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_12

M12. XOXO

柔らかな光を反射させるようにアンビエントなイントロから始まっていく、アルバムのラストソング。Kjは自身のアルバム制作において「ラストソングはすべての曲を作り終えた後、一番最後に作る」という哲学を持っているのだけど、この“XOXO”はまさに、暗闇からスタートしたこの2年間の制作期間を通して、一曲一曲を形にしていく中で掴んでいくことができた確かな光をもってひとつの美しいタペストリーを編むような、とてもあたたかでロマンティックな一曲となった。<他愛無い形を持ち寄って/頼りない互いを縫い合わせ/ほら薄暗い夜に灯したら/冬の星座になって/こんな日々も悪くは無いかな>と歌う、それはまさにThe Ravensのこの2年を表すものであり、彼らが音楽という表現に見ているロマンでもある。このひと時の安らかな静寂を越え、また1曲目の“Opening Ceremony”から新たな日々の始まりへと向かう様も、彼らの生き様を表しているように思う。

Kj「音楽的にはアンビエントで始まったアルバムがまたアンビエントに帰っていく、つまりは静寂へと帰っていって、そこからまた“Opening Ceremony”で新たな1日の始まりが訪れるような、そういう循環を意識したんだけど、メッセージはもう、このタイトルや歌詞の通りだね。俺達にとっては5人でこのアルバムを作っていった時間がどういうものだったのかということを歌ったものだけど、コロナ禍だからこそ生まれた誰かとの繋がり、大切な時間とかさ、そういうことにも重ねられたらいいなという思いはある。……俺はこのアルバムをこのメンバーと一緒に作って、最終的に<こんな日々も悪くは無いかな>と歌えたことが素敵だなと思ってて。それが俺にとっては一番大きな財産かな」

武史「これは本当にリリックが凄いなと思って。深みもあるし、とにかく綺麗な感じというか、ピカピカしてるというか。昔からずっと感じてることなんですけど、建志は歌詞だけは本当に――」

櫻井「歌詞だけは(笑)」

武史「本当に綺麗というか、独特で美しい。他の人にはないリリックセンスがピカイチだし魅力のひとつだから。そこが発揮されていてさすがだなと思いました」

Kj「あざーす! 今回のアルバムの歌詞はリミッターフル解除してるのは間違いないからね。意識して解除してる。もちろん自分がやりたいことは曲げられないけど、ただ自分が虚勢を張ることで何か弊害になるようなものは、このファーストでは全部ナシにしようっていうのは決めてた。その一環としてズル剥けで詞を書こうっていうのはあったの。だから英語もすんなりやめたし、自分に対して『出てこいロマンティック!』ってずっと思って書いてたとこはあった」

武史「でもさ、なかなか狙って書けないよね。『出てこいロマンティック!』って思っても、本当にロマンティストじゃなきゃそんな言葉出てこないですから」

Kj「そうね。だから良くも悪くも、俺は何も引き換えに渡してないんだよね。たぶん音楽だけやって生きられてるからこそ子供のままの部分が多いし、音楽の中ではピュアでいられるんだと思う」



有泉智子(MUSICA編集長)


The Ravens『ANTHEMICS』

Streaming & Download>>

SHARE

DISCOGRAPHY ディスコグラフィー

NEWS ニュース

VIDEO ビデオ