The Ravens
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2022.10.14
The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_11
The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_11
M11. 白鯨
タムを効かせた大地を蹴るような躍動感溢れるリズム然り、雄大な広がりを宿した眩くも力強いバンドサウンド然り、現状を切り開きどこまでも天高く飛翔していくかのようなポジティヴなアティテュードとエネルギーに満ち満ちた、生きていることそれ自体に対する讃歌を高らかに歌い響かせるような一曲。バンドサウンドでありながらオーケストラのような響きを実現しているのが今回のアルバム全体のサウンドプロダクションを通した大きな特徴であるが、そのシンフォニックでスケールの大きな音像や音楽自体に宿る豊かな生命力と音を鳴らす喜びが、この楽曲の強く解放的なメロディとメッセージを輝かせている。
Kj「これは本当に初期の曲で、たしか“Golden Angle”の次に“Anthemic”と“白鯨”を作ったんじゃないかな。初めてThe Ravensとして人前に出るタイミングでの勝負曲というか、市民権を勝ち取るべく必要なピースが俺の中では“Anthemic”、“白鯨”、“メタモルフォーゼ”、“楽園狂想曲”の4曲だったんだよね。で、最終的にリード曲を決めるとなった時に俺は“Anthemic”と“楽園狂想曲”推しだったんだけど、タケちゃんとサク、PABLOのこの曲に対する推しが強くて」
PABLO「“Anthemic”を作った時から建志くんはこれをやりたいんだなというのはわかってたけど、時を経て世の中に薄明かりが見えてきているこのタイミングでアルバムを出すとなった時に、今、俺達が何を見せたらお客さんが笑顔になれるかなって考えると、“白鯨”がいいんじゃないかと思って」
Kj「より踏み込んだ明るさがいいんじゃないか、と」
PABLO「そう。“白鯨”は凄く前向きな、明るくてポジティヴな部分が強くあるから、僕はそこが大事かなと思いましたね」
櫻井「輪っかが大きい曲だからね。この曲はきっと、若い世代も含めてみんな一聴していいと思ってくれる曲だと思った。世代や音楽的な好みを超えて広く響いてくれるんじゃないかなって。で、この曲を聴いてアルバムを聴いたら、『あ、こんな深い曲もあるんだ』とか『私こんな曲聴いたことない、でもなんかカッコいい』みたいなところに辿り着いてくれるんじゃないかな、と」
武史「まさにその通り!」
Kj「入口にしたいってことね。こんなふうに12曲揃った状態でメンバー全員でいろんな話をしてリード決めるってこと自体、俺はあんまり経験したことなくて。大体もうリードがある状態からアルバムに向かうことが多かったからさ。こうやって全部カードをみんなで出し尽くした後に『どれ推す?』ってみんなで好みを言えるのってめっちゃハッピーなことだなと思ったし、凄くよかったな」
有泉智子(MUSICA編集長)
The Ravens『ANTHEMICS』
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