窪田 ミナ
Mina Kubota
OTHERS
その他
2008.08.12
追悼・河井英里さん
先日、私の大好きな人が天国へ旅立たれました。
素晴らしいシンガー、そして作詞作曲家の河井英里さんが逝去されたのです。知らせを聞いた時はショックで言葉を失ってしまいました。8月4日のことです。
私が日本で作編曲の仕事を始めて間もなく『カレイドスター』というアニメ作品で劇中の歌姫のパートをお願いし、その伸びやかで美しく輝きに満ちた歌声にすっかり魅了されたのを覚えています。
その後『ARIA』という作品でまた一緒にお仕事出来るという事が本当に嬉しくて、曲を作っている間もどんな歌詞を付けて下さるのか、どんな風に歌って下さるのかわくわくしていました。
出来上がった曲を聴いた時は、劇中のシーンを見事に表現した歌と歌詞の言葉ひとつひとつに河井さんの想いが感じられて涙が出そうでした。
その後も『ARIA』での曲作りは続き、その度に素敵な歌声と歌詞の世界観に圧倒されていた私は、今までに二人で関わった曲を中心に何か出来たら・・・と考えるようになりました。
河井さん本人に相談したところ快く私のプランに賛同して下さり、先ずは今年9月にヴォーカルとピアノによるデュオライブやってみようと計画を進めました。またこれは私の名前を冠した、デビュー後最初のライブになる予定でもありました。
しかし、そのライブに向けて新しい曲を書き下ろそうと話したり、カバー曲を選んだりと食事をしながら打ち合わせをしたのが、お会いする最後になってしまいました。
その後の電話やメールでもいつも通り明るく冗談を言ったり笑ったり・・・
こんなに突然お別れする事になるなんて思ってもみませんでした。残念でなりません。
あの優しい光に包まれた歌声をもっと聴きたかったです。伝えようとする言葉の響きを感じたかったです。
彼女の歌は人柄そのものでした。いつも気軽に話しかけてくれて、疲れた顔をしていると心配してくれて。優しいお姉さんみたいでした。寂しくて仕方がありません。
英里さん、これからも私は貴女の歌声に癒され、励まされ続けていくでしょう。そして貴女を愛したたくさんの人達も。
貴女の笑顔が忘れられません。でも英里さんが遺してくれた作品を聴けば、いつでも会える。そして心に灯りがともる。それを嬉しく思います。
一緒にお仕事出来て本当に幸せでした。ゆっくり休んで下さい。
英里さん、ありがとうございました。
窪田ミナ(08年8月12日)
<アーティスト本人の希望により、08年8月4日に逝去されたシンガー・ソングライター河井英里さんへの追悼文を掲載いたします>
http://www.goocompany.co.jp/eri_kawai/