《第1回》 石川智晶VS三木眞一郎



シングル、DVD、アルバムとリリース・ラッシュの石川智晶。精力的に活動する彼女が、毎月ゲストを迎えて本音トークを繰り広げる。記念すべき第一回目のお相手は、『機動戦士ガンダム00』のロックオン・ストラトス役など、数多くの作品で声優を務めている三木眞一郎氏だ。今まで接点がありそうでなかった2人。じっくり話すのは初めてとは思えないほど、熱気のある対談となった。

石川「イベントでお顔を合わせることはあっても、ちゃんとお話をするのは初めてですよね。私はデビューして16年目になるんですけど、年齢を重ねるごとに楽になっていくのかなと思っていたら、全然楽にならないんですよ。例えば三木さんは10年前の自分と今の自分を比べて、仕事への向き合い方が変わってきたりしましたか」

三木「僕はこの仕事をして21年、今、41歳なので人生のほぼ半分を声優として過ごしているんですけど、石川さんと一緒で楽にならないですよ。まだ仕事を始めたばかりの頃の方が、楽だったかもしれない。周りが見えていなかったし、自分にできることなんて限られていたので、とにかくそれを必死にやっているだけでよかったから。それが段々と、いろんなことに気が付いていくでしょ。仕事でもプライベートでも、自分ひとりで生きているわけではないということの重みとか。例えば三木眞一郎のミスは、僕ひとりがゴメンナサイと謝ればいいわけではない。僕を信頼して仕事を取ってきてくれた事務所にも迷惑をかけるし、かかわった人みんなに不愉快な思いをさせてしまう。そういうことに気が付いてしまうと、日々がプレッシャーですね。もちろん社会的な責任もあるわけで、もし僕が車で事故を起こしたら『頭文字D事故る』って書かれるかもしれないし、罪を犯したら『ロケット団が本当に悪さする』って言われるかもしれない(笑)。自分の行動が多方面に影響を与えてしまう立場だということを、以前よりもずっと今の方が重く受け止めていますからね」

石川「そうですよね。でも、そういう繊細な部分に気が付いていかないといけない仕事だし、逆にまったくそういうことに気が付かないようならば、それこそ作品なんて作れないですからね。アンテナを張って生活をしている中で、何を感じるか、何を見ているかが重要だったりする。私はいろんな意味で周囲から、『石川さんなら大丈夫』って思われていることがプレッシャーだったりしますね。イベントなどで歌う時に、周りは当たり前のようにちゃんとやれるだろうと思っている(笑)。でも私だって人並みに緊張するんですよ。むしろ10年前より今の方が緊張したりするんです」

三木「それはわかる(笑)。冗談でも『三木さんならいきなり本番でも大丈夫でしょ』って言われたりすると、『いやいや、待って』って(笑)。でも本当に“いざ”という時は、やるんだけどね(笑)。イベントでご一緒したりすると、石川さんは楽屋で落ち着いていて、リラックスしているように見うけられるんですが・・・」

石川「イヤイヤ、そう見えるだけなんです(笑)。三木さんは10年前になりたかった自分に、今、近づいていますか」

三木「僕の中に理想の声優像があって、そこを目指していきたいなと思っているんです。完璧主義者になりたいんです、なぜなら僕は完璧ではないから。大勢の声優の中から僕を選んでくれた人がいる。その人の要求しているクオリティまで、一発でいきたいんです、テイクを重ねないで」

石川「わかります。今回、私はアイルランドでレコーディングをしたんですけど、現地のミュージシャンはファースト・テイクでOKなんですよ。テイクを重ねていっても、最初に出した音にはかなわなかったりする。その緊張感を持っているかどうか、ですよね」

三木「そういう緊張感の中にいる時って、何とも言えない高揚感があるんですよね。CDドラマの時は本番一発で録ることが可能なんですけど、アニメや吹き替えの時は、周囲の声とのバランスや芝居の方向性ナド、あとマイクの出入りとかもはかるために、最初にテストが入るんです。だからテストの時に周りから「良かった」と言われるモノが出来ても、それは録音されていないので、本番でもう一度同じぐらいいいものを出さなければならない。それがちゃんと出来てこそプロなんですけど、それがね、すごく難しい(笑)」

石川「すごくよくわかります。歌も一度目はどのマイクにするか決めたりするので、やっぱりテストなんですよ。だからその時にいい歌が唄えたとしてもエンジニアさんが準備中だったりして、それはやっぱり使えないんですね」

三木「今のをもう一回って言われるんですけど、これがなかなか(苦笑)。今のよりいいものが出来る可能性があると思ってやるんですけどね。自分をコントロールしきれないところが、難しい」

石川「空気感とか間、その時にしか出ないものってありますからね」

三木「CDドラマで即本番という時に、稀に台本を読んでいる感覚でなくなる時があるんです。自分はただの器となっていて、誰かがしゃべっているみたいな感覚なんですけど。その時はマイクの前に自分がいた記憶もないんですね。そういう時は一発OKなんです」

石川「へえ、すごいですね。でも高みを目指していくときりがないですよね。それはとっても個人的なことだったりするんだけど」

三木「『出撃』は正しくは『しゅつけ゜き』(※注)なんですけど、緊張感を持たせようと思ったら『しゅつげき』と言った方がいい時もあるんです。だけど『しゅつけ゜き』(※注)で『しゅつげき』の時と同じぐらいの緊張感を出せるのであれば、日本語としても正しい『しゅつけ゜き』(※注)の方がいいわけで。そういうことの繰り返しなのできりがない(笑)。だから仕事が終わったら、お酒ですね。家に帰る前にどっかで飲まないと、家に仕事の緊張感を持ち帰っちゃうんでね」

石川「10年前より楽になった部分はありますか」

三木「年をとった分、みんなが気を遣ってくれるというのはありますね(笑)。でも、メンタルに関しては楽になった部分はないかもしれない。あんまり人には言わないですけど、楽な仕事ではないですよ(笑)。上手く言えないけど、何かを卒業したらそれを利用して、新たに何かを買って次に行くみたいな繰り返しなので、完成しない仕事なんです。逆に石川さんにお聞きしたいんですけど、歌はどこで完成なんですか」

石川「歌も永遠に終わらないですよ。ただ物作りとしての私と、シンガーとしての私というのがいるんですよ。物作りという点では、自分の小さな部屋の中で、服装なんかも気にせずにオタクのようにコンピューターと向き合っている時に、すでに頭の中に歌の完成形が見えているんです。そこで私の中ではある意味終わっているし、その時が最高に幸せなんです。それからプロデューサーやアレンジャー、ミュージシャンなどの手を借りて、音の輪郭がはっきりしていくんですけど、物作りの石川智晶はそこまでです。イベントなどに出演している時は、シンガーの石川智晶なんですね。こちらは一生、完成されませんね。生ですから、その時の雰囲気や空気感によっても左右されるし、2年経った時に『あの時の歌詞はこういう意味だったのか』って気がつくこともある。歌唄いとしては完成ってないんですよ」

三木「つまり2つのポジションがあるんだ」

石川「結構、いくつかの顔を使い分けています(笑)。そうすることで、自分を楽にしている部分はあると思います。物作りの時は、客観的に自分を見ていて、自分で自分を動かしていたりしているんです。でも歌唄いの時はど真ん中に私があるわけです。私も仕事とオフの切り替えで、飲みに行ったりしますよ。みんなでガチャガチャというのはあんまり好きじゃないので、せいぜい2時間。そのあとは一人で、私のことを全然知らない人たちと飲んだり、しゃべったりしたりするんです。まぁ、悩みは尽きないんですけど、20代の頃は“私が”っていう気持ちが強かったんですね。“アタシの歌”とかね。でもある時期から“私”を“仕事”にしたんです。その区別がしっかりできてから、仕事の悩みはある程度、決まった形で腹に収められるようになりました。もちろん自分のパーソナルな悩みは悩みとしてあるんですけど」

三木「なるほどね、僕はそれが一緒になっちゃうんですよ。仕事で何かあった時にすごく悩むし落ち込むんです。『三木さん、もういいんじゃないですか』って周囲に言われるぐらい、クズクズな自分になっていくんですけど、そういうふうに分ければいいのか…。アッ、でも自分のやり方を周囲が理解してくれるようになったことで、取材とかは楽になりましたね」

石川「今の声優さんは話だけでなく、写真や歌と、いろんなことを求められるでしょ」

三木「例えばCDドラマの時は、僕はイラストの絵で聴いて欲しいので、ブックレットに自分の顔は出さないんです。声優として、役から発せられる声として聴いて欲しいんですね。自分の肉体は大事だけれど、声優としての表現の時に、肉体はいらないんじゃないかなと思っているんですよ。だから雑誌のグラビアで、ニコパチで写真を撮ったりすることは、なるべく避けたいんです。グラビアをやるのであれば、その中で自分の出来るコトを出すようにしています。自分で文章を書いたり、シチュエーションやデザインに直接携わったりするとか」

石川「声優としてのあり方という点で、三木さんは演じるという言葉を使いたくないとお聞きしましたが、それはなぜですか」

三木「僕がもっと上手くなって、自分に余裕が出てから使える言葉だと思っているんですよ。僕は声優という仕事はパーツだと思っているんです。アニメーションならば、絵が半分あるいはそれ以上に表情を与えてくれているわけでしょ。そして監督がいて、ライターがいて・・・、僕は声のパーツ。一つのパーツを任されているだけの人間が“演じる”という言葉を使うのは、役に対して失礼かなって。その役の代弁者、役に声を任せてもらえている、使ってもらっているという感じなんです。僕に声帯を任せてくれた役が、僕の声で満足してくれているかなって、いつも心の中で思っていますね」

石川「私も取材で、ニコパチの写真はイヤかな(笑)」

三木「僕の皮(がわ)には何の価値もないと思うんです。だって声を仕事にしているわけだから。だから皮だけを写真に撮られることに、意味を感じられないんですよ」

石川「三木さんは色んな役をやられていますけど、その時々でなりきる方法ってあるんですか」

三木「今はしないですけど、昔は役に合わせて洋服を変えてスタジオに入ったりしていましたね。活発なコの時にはスニーカーを履いてみたり。石川さんはどんな感じでレコーディングするんですか」

石川「歌の世界に入り込むために、何かを用意したりするということはないですね。そういうことをする自分をどこかでプッと笑っちゃう私がいるんですね。まずスタジオに入って最初にやることは終わりの時間を確認すること。そろそろだなっと思ったら、歌うんです。アーティストによっては心の準備が出来るまで待って欲しいとか、一度泣いてから始める方とか、人それぞれみたいなんですね。私を担当しているプロデューサーは、『石川さんは来てすぐに“30分後に唄うから”と言って時間になったらパッと歌い出すからロボットかと思ったよ』って(笑)」

三木「すごい、カッコイイ」

石川「いや、もうスタジオに入る時には集中してきているんですよ。朝起きて歯磨きをしている時から『今日は歌うぞ』って思っているから。他の人よりも集中が前から始まっているだけなんですけど、そのことを周囲が知らないだけで」

三木「現場でバタバタしないんですね。それは僕が仕事を始めたばかりの頃に見ていた、ベテランの声優の方々の振るまいと同じですね」

石川「三木さんだって、ベテランですよね」

三木「全然そんなことないですよ。先輩に『僕も40歳を過ぎたんですよ』って言ったら『三木さんは僕の半分しか生きてないんですね』って(笑)。70、80歳の先輩がビシッと仕事をされている世界ですから。僕は年を取るというのと、キャリアを積むというのは別だと思っているんです。無駄話ばかりしていて、NGを出すヤツにはイラッときますね(笑)。あと自分のセリフを言った後に、勝手に「すみません、今のはちょっと」って止めちゃうヤツとか。自分のミスによって、他の声優のテンションや心持ちをバタバタと崩していることに気が付かないんでしょうね」

石川「歌に関して言えば、スキルがなくても心にグッとくる歌っていうのがあるんですよ。私は自分はもっと上手くなりたいと思っているし、メロディはきっちり歌いたいと思っているんだけど、でもどこかで、歌ってそうじゃないと思っている自分もいるんです。ヘタでもハートに響く歌ってあるじゃないですか。もし楽曲を提供するならば、歌が上手いだけの人よりもハートにくる歌を唄える人に書きたいですね」

三木「声優の歌の場合は、上手いか下手かで評価されるでしょ。だから歌の仕事は基本的にお断りしています。なぜかというと、下手だと言われるから(笑)。キャラクター・ソングを断るのはそのキャラクターの声は僕なので、僕が歌うことで、そのキャラクター自体が歌が下手だというレッテルを張られてしまう可能性があるから。そうすると僕はそのキャラクターを守れなくなってしまうからね」

石川「音楽はお好きなんですか」

三木「好きですよ、あんまり行かないけどカラオケもイヤじゃない。そうそう、この間「Prototype」を聴いて、お酒が入っていたのもあったけど泣きましたよ。これ以上聴き続けたらヤバイっていうぐらい(笑)、デトックスタイムだった。いつ聴いても泣くかといったらその時々の自分の心の状況によるんだけど、あの時の「Prototype」は刺さりましたね。僕らの仕事って、聴いてくれたり、観てくれていたりする人たちの心がどう動くかが大事だと思うんですよ」

石川「そうですね。でもそれはこちらが作為的にどうこうすることはできない領域だったりする。こちらとしては、自由に聴いて下さいとしか言えないんですけどね」



石川「話は変わりますが、三木さんにとって、いい男とはどんな男性だと思いますか」

三木「男というより、まず人として裏切らないようにしていきたいなと思っています。仕事で言えば、自分に期待してくれるプロデューサーやディレクター、そしてソコに関わっている人たちみんなを裏切りたくないし、役も裏切りたくない。人に対しても物に対しても、なるべく裏切らないように生きていきたいです。でも自分が裏切られたという状況の時は、裏切られたと思いたくはないんです。『自分に人を見る目がなかった』と思うようにしています。裏切られたと思うと、悪口を言うとか負の力になってしまうでしょ。それって、カッコイイことではないから。だからイタリア語で“裏切らない”と書いてあるリングをいつも身につけているんですよ。石川さんが思ういい男とはどんな人ですか」

石川「私ですか? そうですね、ある年齢にきたら頑固なまでに何かを持ち合わせていること、しなやかであること、そして色気のあること、ですかね。絵でも何でもそうなんですけど、色気のないものって全然惹かれないんですよ。もちろん、女性も色気を持っていないといけないと思うので、最近それを女子力と呼んで、気をつけるようにしています。私はよく男気があるとか、ロボットのように仕事をすると言われるけど、でも女性であることを忘れたことはないんです(笑)。女子力をもっと上げていかないとなって(笑)」

三木「色気がないものに反応しないっていうのはわかるな。僕は男も女もカッコイイ人がいいですね。でもそのカッコ良さは、何でもいいんですよ。喫茶店で時給800円でバイトをしているコが、お金を貰うことってこういうことなんだと匂わせてくれるような仕事ぶりだったら、それだけでカッコイイ。ハキハキしているし、お客さんの灰皿やお水にもちゃんと気配りができている。そういう仕事ぶりを目にすると、こちらも気持ち良くなれるじゃないですか。一生懸命ってカッコ悪くないし、それが他人から見たらどんなに馬鹿げたことだって、一生懸命な人を笑ってはいけないと思うんだよね」

石川「私はちゃんと仕事をしている人を、誉めてもいいと思うんですよ。ちゃんと仕事をしている人は当然だと思われていて、そうでない人に対しては、こういう良いところもあるみたいな部分を拾い集めてきて誉めるでしょ。だったらいつもちゃんとやっている人を、もっと誉めようよって」

三木「そうそう、たまにダイエットして痩せた人が『痩せて格好良くなったね』って誉められたりするけど、『じゃあ、ずっとキープしている俺は!? 俺も誉めてよ』って(笑)。ある意味、周りの人に認められている、信頼されているってことでもあるんだろうから、誉められなくても満足しなくちゃいけないんだろうけど、たまに心が折れそうな時に『三木さんって、素晴らしいですよね』って声をかけてくれる女性がいたら、その人はカッコイイ(笑)」

石川「私も誉めて欲しい (笑)。三木さんは落ち込んだ時に、どうやって立ち直るんですか」

三木「中途半端では絶対に立ち直れないので、気が狂いそうになる手前まで悩むかな…」

石川「まずは落ちてみるんですね」

三木「自分の肉体と精神が離れそうになることがありますね。意識的に笑顔にしていないと、誰かが僕の中に入り込んできて、僕は追い出されてしまう。その状況を俯瞰で見ていることになるんだって思うぐらいに。三木のアイデンティティーとは何だろうと考えてしまうと、気が狂いそうになっちゃうので、今はあまり深く考えないようにしているんです。自分ってどこにあるのって思っちゃうんだよね」

石川「なんとなく、わかります」

三木「それぐらい落ち込んだ時からかな、肉体を皮(がわ)として意識するようになったのは…」

石川「心ってどこにあるんだろうってことは、私も物作りをする上で、必ず行き着くところだったりするんですね。歌詞を描くということは、昔の自分のイヤな体験とか辛い思い出とかを、耳かきをするみたいに取ってきて眺める作業なわけです。私の場合、作品としてそういう想いを排出できる場があるので、その都度、葬式をあげるみたいに曲を送り出しているところはあるんですけど…。それでも時々苦しくて、苦しくてってこともありますよ」

三木「人間って細胞の集合体なわけでしょ。指を何かで切ったとしたら、それは自分で直すんじゃなくて、切れたところの細胞が復活して再生したことによって治るんですよね。すると心は…って」

石川「体って恐ろしいほど早いスピードで再生していきますよね」

三木「僕たちは肉体という器に住まわせてもらうことを許されているだけの存在なのなかって思うんです」

石川「肉体はものすごい速さで再生されていくのに、心だけが置いてきぼりにされることもありますよね。私は手術のために入院したことがあるんですけど、肉体は日一日と治っていくんだけど、心のダメージはなかなか回復できない。そこに時間差があるんです。その時に、もしかして心と体はめちゃめちゃ離れたところにあるんじゃないかって、思ったんです。体の中に心は存在しているのかなって。心はあまりに自由すぎるからコントロールできないんですよね。だからコントロールをしようと思わない方がいいのかもしれない」

三木「さっき、台本を読んでいる感覚でなくなる瞬間があるって言ったけど、そういう雑念というか、すべてのことを放棄した瞬間に、何かが降りてきたような心持ちになるのかもしれない」

石川「自分の心なのに操縦不可能なんですよね。心と言葉っていうのもつながっているようでいて、そうでなかったりする。最近、私は言葉が筋肉化している感じがしていて、自動的に言葉が出てしまうんだけど、それは本当の心の叫びかというと違うかもって」

三木「同じ作品の取材でも、違う日にインタビューを受けると、違う感想を言っちゃうことがあるんです。でも嘘ではないんですよ。日々、気持ちって変わっていくわけだから。でも雑誌は同じ日に発売されたりするから、そうすると読者からしたら違和感があったりするわけでしょ。自分に正直にその時々の気持ちを発言するべきなのか、それともある程度流れに沿った答え方がいいのか、悩むんです。だから俺はマイク前で台本だけ読んでいるだけの方がいいんだよって(笑)」

石川「私も取材などで昨日と同じ事を言えばいいのに、余計なことを言っちゃったなって思うことがありますよ。ソツなくやればいいのにねって(笑)」

三木「俺も今日、相当余計なことを言っちゃっているけど(笑)。でも年を取って、ソツなくやる必要があんまりなくなっちゃったんだよね。言っちゃっていいかって。もしその発言が元で仕事がなくなっても、それは俺が声優として実力がなかったからなんだって思えるというか…」

石川「三木さんにはオンリー・ワンの絶対的な存在感がありますよ。自分をちゃんと打ち出している」

三木「俺は頑固なんだよね、きっと。周囲に迎合したくないんだ」

石川「いいじゃないですか。私のいい男性の条件にピッタリです。頑固なまでに何かを持っているっていう(笑)」

※注:「け」についている○は鼻濁点の意味で 「け゜」や「か゜」という風に半濁点をつけて表します。

三木眞一郎 プロフィール

誕生日:3月18日
血液型:AB型
81プロデュース所属
現在、「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」ロイ・マスタング役 「ポケットモンスター シリーズ」コジロウ役 として活躍中。
今後新作アニメに出演予定あり。

三木眞一郎オフィシャルHP http://www.miki-ha.com/

Photo by Masuo Uehata
撮影場所・取材協力: カイオナ東京 http://kaionacafe.net/


《Letter of thanks : 三木眞一郎さま》

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