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〜晴れ。

朝、誕生日プレゼントにと、さとちゃんからモルトビネガーをもらう(これをフィッシュアンドチップスに死ぬほどかけて食べると抜群に美味しい)。昨日11日は僕の25回目(ウソ)の誕生日であった。日本を11日に出てロンドンに11日に着いたのでいつもより長い誕生日。ということは西へ西へと移動していけばずーっと誕生日が続くではないか・・・。お昼はお約束のフィッシュアンドチップス。今日からさっそくレコーディングだ。メンバーとリアム[注54] は2日前に一度顔を合わせている。皆レコーディングが楽しみでしょうがない様子。彼のスタジオ " Toerag " はロンドンのイーストサイド、Hackneyという住宅街にある。とにかく、このスタジオが凄いのだ。デジタル機材はCDレコーダーだけ、オールヴィンテージのアナログ機材で溢れている。
メインで使ってるコンソールはアビーロードスタジオで実際に使用されていたEMIの真空管デスク、8チャンネルだ(!)。レコーダーはこれも8トラックの1インチアナログ(Studer A-80)。僕が4月に視察のため訪れた時はまだ16トラックのStuderもあったのだけれど、音が断然イイという理由で現在はこの8trのテープレコーダーしかない。CALRECの卓はモニター専用。アンプもドラムもオールヴィンテージ、見た目は古いがどれもしっかり丁寧にメンテナンスされていてコンディションは最高。セットアップ後、さっそく「Workshop」[注55] の音作りを開始。ドラムはクリフだ。なんせ全部で8trkしかないので、キット全体に3〜4本のマイクを立てそれらをミックスして1トラックに録音する。後になって「キックを上げる」だの「シンバルを抑える」だの「スネアだけちょっとリバーブを・・・」などがいっさい出来ない。1トラックにまとまっちゃてるのだ。レコーディング開始。なんだこの音、最高、ぞりぞり鳥肌がたつ。リアムも楽しそう。アレンジを詰めて行くが、岸田くん迷いの兆候。グルーブがしっくり来ないと不安がる。まだ、リアムにまかせきることが出来ないようだ。Long Viewでのレコーディングはフランとの共同作業だったが、このセッションのプロデューサーはリアム。全ての指揮を彼がとる。皆、音の良さに脱帽しつつ、初日ということもありOKテイクは録れずに切り上げる。それにしても感動的に音が良い。夜スタジオの近所でチャイニーズ、これはまずまず。時差ボケがきつい・・。

[注53] Liam Watson〜ロンドンセッションのプロデューサー・エンジニア。岸田くんと今作のサウンドについて話していた時、The White Stripes のアルバム「Elephant」と The Johnny Boy のシングル「You Are the Generation That Bought More Shoes and You Get What You Deserve」(タイトル長すぎ!)の2作品があがり、両方ともリアムが手がけていたことが発覚。彼に何度かラブコールを送り今回のセッションが実現した。生粋の50'sフェチ。シングル「Baby I Love You」のビデオクリップ(>>WMP  >>Real)でドラムを叩いているのが彼。
[注53] (It's Only ) R'n R Work Shop !:アルバム「NIKKI」に収録。