ニューリリース

唄の世の中〜岸井明ジャズ・ソングス

2011.12.21

アルバム / VICL-63819〜20

¥3,600+税

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Victor

伝説の巨漢ボードビリアン、待望の全集が遂に発売!!
ニッポンの戦前ジャズの真価を証明するモダン・ソング!

トニー谷、クレイジーキャッツ以前に
ジャズと娯楽を融合したハイセンスな音楽が存在した!!
150キロを超える体で、歌って踊って恋をする、元祖癒しの
“ゆるキャラ”にして、抜群のセンスを発揮した名クルーナー
岸井明のビクター・レコーディングスをコンプリートに収録!

#1

01

ダイナ

02

プリーズ

03

家へなんか帰るかい

04

ねえ君次第(アイム・フォローイング・ユー)

05

月に告ぐ(月光価千金)

06

察してくれよ、君!

07

唄の世の中

08

楽しい僕等

09

懐しの我が家

10

スーちゃん (スイート・スー)

11

涙をふいて(マイ・メランコリー・ベイビー)

12

帆は夕陽にもえて

13

ホノルル・ムーン

14

真赤なリボン

15

ハワイの唄

16

お山の楽隊

17

姑娘可愛いや(チャイナ・ルンバ){姑娘=クーニャン}

18

海辺は楽し 

19

世紀の楽団(アレクサンダース・ラグタイム・バンド)

20

三人仲よく

#2

01

僕の彼女

02

ほんとに困りもの

03

お世辞じゃないです

04

僕は二人前

05

ああ、つまらんぞ

06

気持判るよ

07

ああもなりたや

08

タバコやの娘

09

街道の王様

10

理想の夫婦

11

独身のせいだわ

12

進軍スイ(ヰ)ング

13

野球選手の兵隊さん

14

お嬢さんの犬

15

代用品時代

16

親友の唄

17

村の横綱

18

やぐら太鼓に

19

涙はどんな色でしょか

20

ウクレレの歌

21

偽りは罪

DISC 1 舶来ヒット・ソングを歌う
DISC 2 和製ジャズ・ソング傑作集


岸井 明のジャズ・ソングにきくコメディ・センスと正統的クルーナーの見事な融合

解説:瀬川昌久

 岸井明の歌ったアメリカのジャズ・ソングと、和製のジャズっぽい流行歌とを、それぞれ約20曲あてCD2枚組に収録することになった。今まで彼の歌ったレコードはアメリカのジャズ・ソング数曲しか復刻されていないので、初復刻曲が大部分を占めるこの企画を、大いに歓迎したい。
 岸井明は、1910年(明治43年)10月13日生まれで、1965年(昭和40年)7月3日に54歳で亡くなったボードビリアン。彼の映画を見るとわかるように、彼は150キロを超える巨大な体躯の持ち主で、それ故か青山学院高等部から日本大学に入り、相撲部に属した。しかし途中で日活映画京都に入り、劇団「笑いの王国」にも関係して、映画や芝居に出演するようになる。一方、彼は無類のジャズ好きで、ビング・クロスビーの歌うアメリカのジャズ・ソングを真似ていたので、1933年(昭和8年)P.C.Lが音楽映画を制作するようになると早速出演し、コメディアン的役割で歌って人気を博した。1935年(昭和10年)の映画「すみれ娘」は、リキー宮川らの出演で紙 恭輔指揮のP.C.Lジャズ・バンドの演奏で「ダイナ」が次々と歌われる。岸井はクラブの金持ち客の役柄で出演。映画では歌わないが、ビクターレコード専属となって、「ダイナ」と「プリーズ」をP.C.Lバンドのコンサート・マスター谷口又士のジャズ色濃厚なアレンジで録音し、歌手デビューを飾った。以降次々とジャズ・ソングを吹き込み、翌1936年の映画「唄の世の中」は、岸井が藤原釜足との漫才コンビからやがて歌手となって出世するという話で、劇中「ダイナ」と主題歌の「唄の世の中」を歌った。同時にビクターで「唄の世の中」を吹き込んでいる。Disc1の20曲中、谷口又士がトロンボーン・ソロをとり、自らアレンジした5曲は、特にジャズ的に卓越していると思う。
 P.C.Lが東宝に合併された後は、東宝映画の専属となり1945年(昭和20年)までに多くの作品に出演、エノケンの「孫悟空」では猪八戒に扮し、大いに歌った。Disc2の「和製ジャズ・ソング」は、この期間中喜劇俳優として一層培われた絶妙のコメディ・センスを、歌に生かしたものである。戦中も、灰田勝彦と組んで日劇ショーに出演、ロッパの一座にも参加した。戦後は日劇ショーやミュージカルのコメディアン的役柄に欠かせぬ存在となり、脇役ながらいつも高い評価を得た。例えば、1946年(昭和21年)の日劇「ハワイの花」評、「脇では岸井 明ひとりが及第点をかせいでいた」とか、1947年(昭和22年)の「白雪姫」評、「出演者では、プロローグとエピローグだけに出る岸井明が、ショーの歌手としての成人振りを見せているのが印象に残った」など、好評を得た記録がある。映画のほうは数えきれぬほど多く、1960年までに60本以上も出演した。1949年の「銀座カンカン娘」で、高峰秀子や灰田勝彦と共演して主題歌を陽気に歌った場面は、彼の存在故に盛り上がった点が大きい。コメディアン的な風貌と演技にマッチした、コメディ・センス溢れる彼の歌唱のなかには、ジャズ的なリズム感と、彼の愛したビング・クロスビー張りの正統派クルーナーの美声が、今日にも強く感じられるのである。

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