大島 保克
島時間~ISLAND TIME~
心がほどけていくようなつややかな歌声…。故郷を、人を、自然を想う島うた…。
ヨーロッパ17ヶ所公演や、国内での様々なアーティストとのコラボレーション、ライブ活動を経、新たな刺激と故郷への想いを胸に完成した、オリジナル曲中心のアルバム。
深みのあるつややかな歌声と三絃に、ギター、ヴァイオリン、パーカッション等のアコースティックな響きが重なり、おおらかなメロディがどこまでも懐かしく心にしみとおる、斬新かつ永遠なる島唄が生れた。
<参加ミュージシャン>
大島保克:うた、三絃
武川雅寛:ヴァイオリン、マンドリン、トランペット
笹子重治:ギター
三沢 泉:パーカッション
上地 等:アコーディオン、ピアノ、コーラス
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「このアルバムは血を浄化してくれる」
何という音、何という声、何という間合い、何という空気、お陰で深呼吸ができた。私はここまで空気を変えれるアルバムに最近出会ってない。それは単なる癒しなんてもんじゃない、血の流れを変える、人間の根源的な響きだ。
私はこのアルバムを沖縄に、東京に、NYに持っていって聴いた、すると一瞬にして放たれたこの音楽は、その空気にまろやかに溶け込み、穏やかな島時間へと誘うのだ。恐るべし大島保克、彼の中にはどんな世界が秘められているのか、それは人間本来の生き方か、それとも生きるすべを忘れてしまった現代人への警告か。ただひとつはっきりしている事、それは聴くもの誰もが奥深くに眠る、何か大切なモノに触れさせてくれる点だ。
この「島時間」は、私が沖縄で最も好きな音楽家大島保克氏の、その中でも最も好きなアルバムだ。私はこの時間に酔い、まみれる。それにここには単なる癒しミュージック以上の深さがある。繊細で、底知れないほどやさしく、且つ痛々しくて根太い、大胆な大島保克氏はまさに今、最も時代が必要としている音楽家ではないだろうか。
text by 宮本亜門
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声だけで そのすべてを伝えてしまうことがある。音楽の性質とはそういうことだったりする。
だから大島さんの声は大島さんの音楽だ。私達はずっとそれを聴いていよう。
text by 矢野顕子
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全国各地の多くの民謡が、過去を伝承する形にとどまりつつあるのに比べ、沖縄では時代とともに、さまざまな新しい唄が生まれ続けている。そして今日まで、沖縄の人々は民謡を歌い継いできた。
大島さんはこの作品の中で、現代的なメロディーの曲と、沖縄民謡と、そしてご自身による現代の新作民謡との三つのスタイルに取り組んでいる。伝統を継承しながら、これからの島唄のありかたを追求している。
現代社会にこびることなく、静かなる戦いに挑む姿を見ていると、八重山はもとより、沖縄の各地から大島さんのような唄者が出てくることを求めたくなる。さらなる若い世代から出てきて欲しいと、切に願う。
text by 宮沢和史
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僕が 正直になって ただ ふと聞くのは こうゆう唄なァのです
text by 青柳拓次
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行ったこともない知らない場所へと音楽が連れていく、その想像力の楽しさではなく、大島保克の唄を聴いていると、島へ帰りたいと強く思う。島出身でもなんでもないのに、と思いながら、その不思議な感情がまた彼の唄を特別なものへと押し上げている。
text by 川口美保(SWITCH)