普久原 恒勇

獅子舞

1999.07.23
アルバム / VICG-60212
¥2,860(税込)
Victor

「海の道」をたどって流れ込んだ様々な音楽文化の融合。沖縄音楽として非常に珍しい器楽曲を主体とした作品集。

  1. 01

    獅子舞 Shishimai

  2. 02

    風・太陽(詩曲「響」より第二章) Kaze taiyoh (shikyoku "toyomu" chapter 2)

  3. 03

    海(詩曲「響」より第三章) Umi (shikyoku "toyomu" chapter 3)

  4. 04

    ゆがふ Yugafu

  5. 05

    天の川 Ama no kawa

  6. 06

    芭蕉布変奏曲 Bashofu variations

  7. 07

    アカヨーラ Akayoora

  8. 08

    伊平屋渡(史曲「尚円」より第五章) Ihiyadou (shikyoku "Sho-en" chapter 5)

  9. 09

    めでいうた Medeiuta

【各曲解説】
01.獅子舞
タイトルチューンのこの曲は、沖縄民家の赤瓦の屋根に鎮座まします守護神シーサーが夜な夜な屋根を下りて地上へと遊びに行くといった内容。その着想も面白いが、伝統をシャッフルさせたいという普久原恒勇の想いがよく伝わってくるように思う。

02.風・太陽
沖縄では非常に珍しい器楽曲として、沖縄音楽史上画期的と評される詩曲『響』から第二章。箏の導入部から、やがて聴こえてくる三絃合奏の印象的なリフレインを軸に、男声コーラスや箏が絡み合って実に力強い流れを生み出して行く。

03.海
前曲と同じく『響』から、第三章。八曲目と同じく翁長洋子箏曲院をフィーチュアした演奏。数種の箏と普久原自身の三絃が使用されたアンサンブルが美しいメロディーを効果的に奏でる。

04.ゆがふ
世果報(ゆがふ)とは世の中がとても平和で豊かであること。1980年頃、祝いの座で演奏するために作った曲。これも『響』のある部分からの抜粋になっている。

05.天の川
金城松秀による大変格調高い詞がうたわれる。『翔節の舞』という踊りのために作曲したもの。百人におよぶ玉城節子舞踊団の公演で何度かとり上げられている。

06.芭蕉布変奏曲
この有名曲を器楽曲とするため、原曲の和音や拍子を変えるなど様々な工夫がこらされている。後半の変奏部が聴きどころ。ここでは笛と三絃と箏によるトリオで演奏されるが、笛ではなく尺八の入るトリオ用にアレンジされた楽譜も存在する。

07.アカヨーラ
もともとうたのある曲だが、手事と呼ばれる三絃だけのパートを抜き出して演奏している。「アカヨーラ」は八重山の言葉で、沖縄の県花デイゴのこと。1985年頃に作曲された。二人の三絃奏者に、控えめな打楽器が加わる。

08.伊平屋渡
沖縄本島北部の伊是名島に百姓の息子として生まれ、ついには第二尚氏王朝の開祖となった金丸の物語、史曲『尚円』から第五章を抜粋。「伊平屋渡」とは沖縄本島と伊是名島を隔てる海の難所のことである。オリジナル中で活躍していた太鼓の部分を箏に置き換えてアレンジするという、非常に興味深い試みが為されている。

09.めでいうた
複数男女のユニゾンによる謡と拍手だけでシンプルに演ぜられる。「人皆無為自然なれ」「疑問や問いはすべて、己の心に訊け」などのメッセージが託されている。

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