Lonesome_Blue
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2022.12.22

ファーストフルアルバム『Second To None』オフィシャルインタビュー(前半)

メタルやハードロックをベースにした重厚なサウンドと、ヴォーカル・野村麻衣子の流麗かつヘヴィーなサウンドに映える凛としたヴォーカルで注目を集めた次世代型ハイブリッドガールズロックバンド、Lonesome_Blue。メジャーデビュー 1st EP「First Utterance」で始動してから約6カ月、12月21日(水)に1st フルアルバム『Second To None』をリリースする。バンドに対する意識を受動的から能動的へとシフトチェンジした彼女たちが放つ今作は、新たな挑戦が詰まった意欲作。タイトルにも込めた“誰にも負けない”という強い思いをたっぷりと語ってもらった。

──6月22日にメジャーデビューされて、環境や意識などにどんな変化がありましたか?

広瀬:私はマインドが変わりました。「楽しそう、やる!」っていう感じで始めたものの、どうなるのかな?って思っていたんですよ。メンバーとの相性もあるだろうし、この先もやっていけるのかどうかってわからないことだから。でも、メンバーのみんなと話をしていくうちに、みんながしっかりとこのバンドについて考えてくれているし、“こうしたい、ああしたい”っていう思いをちゃんと持っている人たちなんだとわかったので、“このバンドをもっと長く続けていきたいな”っていうマインドにどんどん変わってきています。“もっとたくさんの人にこのバンドを知ってほしいな”って、メンバーと話をして思うようになりました。

野村:確かにゆうきちゃんは「このメンバー本当に最高なんだよね」って、ずっとぶつぶつ言ってました(笑)。「逸材揃っちゃった。これはもっと知ってもらうべき」って。

──そう言えば広瀬さんは前回、MIZUKIさんと成美さんの第一印象を「すごいロックな人だなと思った」というお話をされていましたが、デビューしてから広瀬さんはどうですか?ロックな人になりました?

広瀬:気分だけは(笑)。

一同:アハハハハハ!

野村:ゆうきちゃんは結構メンタルがロックなんですよ。楽器の経験はもちろんお二人には及ばないけれど、メンタル的なロックさは……。

広瀬:バイブス、バイブス!

野村:ロックバイブスはめちゃくちゃあるし、4人の中で“いくぜ!”っていう感じは力強く感じます。

広瀬:ありがとうございます(笑)。

──野村さんのロックバイブスはいかがですか?

MIZUKI:気になる気になる(笑)!

野村:表面的にロックバイブスが表れているかはわからないんですけど、結構心の中では……大人なので表には出さないですけど“ふざけんなよ!”って思ったりすることもあるから、そういう意味合いではあるのかもしれないですね。

MIZUKI:今回のアルバム、歌がすごいいいんですよ。自分でも感じたんですか?“いけたぜ!”って。

野村:前回のEPで自分の歌を録ったものを聴いて、もっとこうしたかったなとか思うところがあって、そういうところを改善していきたいなと思ってました。

MIZUKI:でも超えていけたんじゃない?素敵でした。

野村:本当?良かった(笑)。

──MIZUKIさんと成美さんは前作を踏まえて変化したことはありますか?

MIZUKI:私は前作の曲も今回の曲も踏まえて、いずれ有観客のライヴをやるだろうっていう気持ちも込めつつ、ジムに通い始めました。フィジカル的にやっぱり大変だなと思ってパーソナルトレーナーさんについてもらって、ガチで今までとは違うものをやってるという思いで体を作り直そうと思って。

成美:このために?

MIZUKI:うん、このバンドのために。最後まで怯まないで思いっきりライヴができるように体作りを頑張っています。

成美:私はやっぱりエンターテインメントとして人に寄り添う音楽が好きなので、そっちに近づきつつ、音楽が人にも「こういうところがいいよね」みたいなことを言ってもらえるように、ちょっとニッチなテイストを入れてみたりしたんですが、それが前作よりはうまくできたかなと思います。

──1stアルバムを作るにあたって、方向性やコンセプトについてみなさんで話し合われたのですか?

広瀬:はい。プロデューサーさんがみんなを集めてくださったんですけど、プロデューサーさんも声優とミュージシャンでバンドをやるのが初めてだったので、道なき道を行かなきゃいけないわけじゃないですか。だから次にどういうアルバムを出したら、まだロンブルを知らない方たちやいろんな人に私たちの曲を届けることができるんだろうって話し合いをして。その時に、私と麻衣ちゃんが声優だから、まずはそっちに焦点を絞ってアニソンっぽい明るい前向きな曲がいいんじゃないかと、そういう曲を聴かせてくださったんですよ。でも、私たちがそれに大反対して。

成美:私、「嫌い」って言っちゃいました(笑)。

広瀬:私自身も麻衣ちゃんは声優だけど声優らしからぬ歌唱力や英語の発音があって、そこがギャップだと思うので、麻衣ちゃんにしか歌えない歌、麻衣ちゃんにしか届けられない曲を作りたいとプロデューサーさんにお伝えしました。

成美:声優さんと言っても、ロックバンドという形で活動してきた下地がある方たちなので、
他の声優さんと一緒にしてしまうのは絶対にもったいないなっていう気持ちがあったので、一緒にいる私たちはロックな演奏をし続けたいなと思いました。

MIZUKI:そもそも女性ミュージシャンっていうだけでバカにされたりすることもあるんですよ。私もいろんな現場でずっとそういう思いをしてきたんです。「思ってたより叩けるね」って言われたり。だから誰にも負けない!みたいな思いも込めて作りました。

広瀬:アルバムタイトルの『Second To None』がまさにそういう意味なんです。誰にも負けない、私たちがこの道の一番でありたい、誰にも負けないところに立っていたいっていう。なので、メタルに振り切るのか、それともどういうロックを作っていけばいいだろう?みたいなことをみんなで悩んで話し合ったんですけど、一番は麻衣ちゃんが歌いやすいもの、麻衣ちゃんの声にバチっとハマるものにしたいということ、メタルオンリーではなくてクールな感じも入れたい、ラウドロックでなおかつMIZUKIちゃんと成美ちゃん2人が今までやってきた素晴らしいテクニックも活かせるようなもの、そういうものがこのアルバムに詰まっていると思います。

──“このバンドでやっていく”と腹を括ったというか、覚悟を決めたような印象を今のお話から受けました。今作で一番最初に取り掛かったのはどの曲ですか?

広瀬:7曲目の「Superhero」です。

──そうなんですか。この曲は今作の中でも特に異色な感じがしました。

広瀬:この曲は前作を作っていた流れの中にあった曲なんですよ。前作の流れで作っていた曲は、その後の話し合いの末にボツになっていって、この曲だけが残ったんです。他の曲は話し合いの後で一気に作っていったものなので、この曲だけちょっと異色な感じがしたのかもしれないですね。

──なるほど。変拍子だから歌も難しかっただろうなと。

野村:めっちゃ難しかったです!こういうリズムで歌ったことがなかったので、ただただ私の初挑戦が詰まりすぎています。サビに入るところなんて、自分が聴いて練習していたのが間違っていて、正しいタイミングが全然掴めなくてすごい苦労しました。自分が声優を初めて今までレコーディングしてきた曲の中で、一番苦労した曲です。たぶん聴いてる方はわからないと思うんですよ。だから試しに一度歌ってみてほしい(笑)。

MIZUKI:確かにサビの入りが難しいよね。私はドラムインの最初の4小節は自分で作らせてもらって、最後の8小節もドラムソロをやっていいよって言われたので自分で考えて入れさせていただきました。

成美:ギターはコード進行が面白いので、コードのボイシングを結構こだわりました。そんなに派手なプレーはしてないんですけど、ちょっと面倒くさい押さえ方をしていたりします。ライヴだとたぶんリードを弾きっぱなしになるので、すごい緊張しそうな気がしています。それと浮遊感を出してみました。

広瀬:その浮遊感が好きです。私はこのプログレ感がすごい好きだなと思っていて、歌詞もすごい好きなんです。

──1曲目に戻りますが「Face The Fear」は、歌詞に日本語も入ってますね。それは成美さんが最初におっしゃっていた“エンターテインメントとして人に寄り添う音楽”を意識されてのことなんでしょうか?

成美:そうですね。やっぱり日本で売れたいっていう気持ちがあるので、海外だけを見るのではなく、日本で好きって言ってくださる方たちにも寄り添っていきたいっていう気持ちがあったので、伝わりやすい言葉を使いたいなとずっと思っていました。

野村:前作の1st EPは全曲英語だったので、聴いてくださった方たちには英語詞の印象がついていると思うんです。そんな中で今作一曲目の二番から急に日本語が出てくるので、“日本語になったぞ?!”って違和感を感じられないように、英語と日本語が地続きに馴染んで聴こえるように意識して歌いました。

──サウンド面ではどんなアプローチをされましたか?

MIZUKI:この曲ではイントロとアウトロと間奏、全部フレーズを変えましたね。だんだん激しく大きくなっていくように心掛けました。あと、意外と3拍子が入っているので難しいんですよ。でも、それも違和感なく主メロに合ったような感じで入っていて自然な感じなので、それがすごいかっこいいなと思っています。

成美:J-パンクロック的な感じで弾いちゃうと、いきなり変拍子が入ってきて乗れない、みたいな感じの曲なので、お客さんが困惑するのがちょっと楽しみです(笑)。

広瀬:この曲は一番最初に練習したんですけど、「今作は前作より簡単になるよ」って言われていたのに“話が違うぜ”って思いました(笑)。2番の“笑われたっていい”からの歌詞がLonesome_Blueっぽくて好きです。

野村:タイトルもメッセージもド直球で、私の気持ち的には胸ぐら掴んで「こっち向けよ」ってやってるような感じの印象があって(笑)。MVもド直球というような演奏シーン盛りだくさんになっていて、すごく気に入っています。

──2曲目の「Body Rock」は、バンドの紹介ソングのような楽しいナンバーですね。

野村:そうなんですよ。アイドルの曲でメンバーが一人ずつ自己紹介するような曲があるじゃないですか。それに近い感じがあって、私はすごく気に入ってます。“一緒に行くよ イエイ!”みたいなノリノリな感じが楽しいなあって思っています。

MIZUKI:そして麻衣ちゃんのラップもすごいカッコいいんですよ。

野村:以前、ゲームの『荒野行動』のテーマソングを歌わせていただいたことがあって、それがラップ盛り盛りの曲だったんですよ。それで、この曲も『荒野行動』の曲と同じ作詞家さんに書いていただいたんです。ラップってすごく楽しいなと思っていたので、今回こんな感じで入れていただけて嬉しかったです。

広瀬:歌詞だけを見るとすごくキャッチーな印象なんですけど、曲を聴いたらしっかりロックでカッコいいんですよね。めっちゃ乗れそうな曲だなと思うので、早くライヴでやってみたいなと思います。

MIZUKI:私はこんなパンクみたいな曲ができて嬉しくて、一番この曲が好きです。好きだからこそ叩きやすかったし、フィルも考えやすかったし、楽しいなと思いながらレコーディングをしました。

成美:この曲を初めて聴いた時に、清々しく“陽”の方向に向いているなと思って。私はメタル界隈にいたので、やっぱりどこか陰鬱な雰囲気に慣れていたので、いい意味でチャラいと言いますか(笑)、深みのなさとか軽さがすごく気楽で、ライヴ映えする曲だなと思います。あとアレンジャーのTako Yamaguchiさんのカラーが色濃く出ているので、私も勉強しながら弾かせていただきました。自分だけで弾いてたら、こうはならないだろうなっていう感じのアレンジになっています。メジャーにいってたくさんの方と一緒に仕事をすることで、いい影響を受けられるなって思いました。

──3曲目の「It’s My Time」は、耳が忙しいくらい聴きどころが満載なんですよね。まず野村さんのヴォーカルはずーっと声が長く伸びているところとか、グンと上がっていくところとか、とにかくフェイクがカッコいいです。

野村:いくつか試しながら録っていって、どのテイクがいいかディレクターさんたちと話しながらみんなで決めました。この曲も“Lonesome_Blueでやったるぞ!”っていう感じのストレートな曲だなと思っています。

MIZUKI:私はこの曲の2Aのところにちょっとジャズみたいな雰囲気を入れたんですよ。私がレコーディングする時にはすでに歌が先に入っていたんですが、その部分は何か意識したりしましたか?

野村:これがジャズ風だったんだ?!と(笑)。

──あのジャズっぽい部分もこの曲のフックになっていると思いますが、デモからそうなっていたんですか?

MIZUKI:そうなんです。でも歌に合わせて少しフィルは変えさせてもらいました。

成美:どジャズではないのでコード的なところでは疑問はなかったんですけど、それまでメタル的に勢いよくピックで弾いていたのを、そこだけ指弾きにしてふわっと響くようにしました。

広瀬:この曲は同じ言葉を何度も繰り返している潔さも聴いていて気持ちがいいです。ベースに関しては前作のベースのテクニカルな感じを落としたくないっていう話があって。Lonesome_Blueとしていい作品を届けるには私のレベルに合わせるんじゃダメだなと思っていたので、その結果難しいです、このベースも(笑)。

──ギターとベースがユニゾンしているところもカッコいいですよね。

広瀬:そうなんですよ。ギターとユニゾンしてて聴かせにくるんですよ。

成美:ギタリスト的には、このユニゾンは運指が面倒くさいんだけどなと思いながら弾いてました(笑)。



後半はこちら ⇒ https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A027240/32.html

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