Lonesome_Blue
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2022.12.22

ファーストフルアルバム「Second To None」オフィシャルインタビュー(後半)

※前半はこちら ⇒ https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A027240/31.html



──音の隅々までぜひ聴いてほしいです。4曲目の「Blue Like Sapphire(The Flower Of Hope)」は歌始まりの切ないメロディが印象的な曲です。

野村:私はこの曲を歌うのが一番楽しかったです。一番気持ちよく歌えるテンポの曲です。作詞家のnana hatoriさんがおっしゃっていたんですけど、青い薔薇ってそれまで自然界には存在しなくて着色して作ったりしていたんだけど、最近になって技術が進んで青い薔薇が作れるようになったということから着想を得て歌詞を書かれたそうなんです。そういうお話を聞いて、ちょっと曲の捉え方が変わりました。

──最後のシャウトも胸にきますね。

野村:シャウトも正解がよくわからないなと思いながらやったんですけど、一回目で「これがいいです」って言っていただけて、よかったーと思いました。

MIZUKI:結構入ってきやすいメロですよね。J-POPみたいな聴きやすいメロだなと思いました。ちょっと暗めでエモい感じもいい。ドラムはひたすらにエモくエモく叩きました(笑)。

成美:確かに昭和歌謡っぽいような、子供の頃に聴いていたメロのような感じがしていて、アレンジも90年代ぐらいのバンドアレンジに聴こえたので、すんなり入りやすかったですね。たぶん日本人のDNAに組み込まれているんだろうなっていう感じでした。

広瀬:この曲はアウトロがない感じが好きです。でもプツッとキレるんじゃなくて、余韻を残して去っていく感じ。この曲は何回も聴けば聴くほど染み渡ってくる曲なんじゃないかなって思います。スルメ感が強い。

──そして5曲目の「Mine」は野村さんが初めて作詞に挑戦された曲です。何かきっかけがあったんですか?

野村:バンドをするにあたって、ヴォーカルが自分自身の言葉で歌った方がいいに決まっていると思っていたので、「作詞をしてみるのはいかがですか?」と言われた時から、やってみたいなとは思っていたんです。その時は結構軽い気持ちでやってみたいと思ったんですけど、取り掛かってみたら本当に辛くて(笑)。音に合うように言葉をはめるのは本当に難しいなと思いました。

──どういうことを取っ掛かりにして、言葉を紡いでいかれたのですか?

野村:自分が今まで生きてきた中で、嫌なこととか苦しかったこととか、そういうことを経験しながら大人になっていくんですけど、そういうことって忘れそうで忘れないじゃないですか。忘れきることはないし、忘れたいとも思っていないし。誰しもが経験しているようなことなんですけど、その人の気持ちはその人のものでしかなく、誰かの気持ちを完全にはわかることもできないし、誰かにわかってもらうこともできない。だから自分にまつわる全ては全部自分自身だけのものなんだっていう意味で、こういう歌詞、タイトルにしました。

広瀬:麻衣ちゃんって“今日は晴れ!空が青い!”“太陽が昇ってて最高!”みたいなご機嫌で前向きなことを言葉にしていることが多いので、こういう内面をしっかり文字にして表面化されたことが非常に興味深いなと思っています。麻衣ちゃんのファンの方たちもきっとこの歌詞は興味づかいと思う。たぶん今まで見せたことないでしょ?

野村:確かに仕事をし始めてから、私は明るさを取り戻したんですよ。だから、こういうちょっと暗いような雰囲気の私は、もしかしたらみなさんは知らないかもしれないですね。

MIZUKI:この曲は最初にスネアソロみたいなのがあるんですけど、ギターとユニゾンしています。その部分はスネアを2回録って重ねてもらったんですけど、すごくこだわってできたのでよかったなと思っています。

成美:この曲は結構最初の方に着手して、1曲目の「Face The Fear」の後に録ったので、その流れでちょっとラウドを入れつつ、ハードロック的なテイストも入れつつ、途中のセクションでちょっと今っぽい好きなこともやりつつ。今好きなものと過去に自分がやってきたものを混ぜた感じでギターを録りました。

──6曲目の「Hide And Seek」はパンクですね。Lonesome_Blueの新たな一面を見ることができました。

成美:作曲の黒須克彦さんがパンク畑の方で、ゆうきちゃんが好きでお願いしたっていう経緯があるんです。今までなかなかザ・パンクなことをやる機会がなかったんですけど、思いのほかギターが大変で(笑)。トラック数がとてつもないことになっています。そしてとにかく速い。しかもそれをダウンピッキングしてるので。

MIZUKI:それはすごいです。お疲れ様でした(笑)。

成美:パンクはパンクの大変さがあることを身をもって知りました。でも世代的にパンク好きは多いと思うので、ライヴでは思いっきり暴れてくれたらいいなと思います。

MIZUKI:この曲は本当に速いんですよ。テンポ196だったと思う。2小節バスドラを16分で踏むところがあるんですけど、“黒須さん、試練をありがとうございます”って思っています(笑)。レコーディングでは一発でなんとかいきました。あと、コーラスもちょっと参加させていただいて、すごい楽しかったです。でもライヴ本番では忙しいので、できるかどうかわかりません(笑)。

広瀬:黒須さんとは私がガールズユニットをやっていた時代から面識があって。黒須さんが作る曲がすごい好きだったのでプロデューサーさんに紹介をしたら、トントン拍子に話が進んで、作っていただけることになりました。疾走感のある曲で、何をそんなに急ぐことがあるんだい?って思っていたんですけど(笑)、歌詞も何かから逃げている感じがしたので、そこでしっくりしました。結構追い詰めてくる感じの歌詞ですよね。

──かなりスリリングですよね。“かくれんぼ”とタイトル通りにも捉えられますが、ちょっと病んだ恋愛ソングにも聴こえたりするし、面白い曲ですよね。

広瀬:確かに、ちょっと病んでいる感じがして、なんかスリルがある曲ですよね。途中、私の掛け声も入っているので、ライヴで声が出せるようになったら、私と一緒に声を出していただけたらいいなと思います。

野村:パンクっぽくて、“ついて来れるの?”って挑発する感じで歌っていて、すごく楽しかったです。“Locked on”や“Count down”のところとか、ライヴでやったらきっと楽しいところだなと思いながら歌っていました。

──8曲目の「Aurora」はAメロの語りのようなヴォーカルからゾクゾクしますね。

野村:音にはめようとしなくていいから、ボソボソ語っている感じにしてほしいと言われ、その塩梅が難しかったような記憶があります。ラップでもないし、メロディでもないし。イメージ的には1人で夜空の中で歌っているような感じがする、ロマンチックな曲だなと個人的に思っていて。他の曲とはちょっと違うところにある感じがしてお気に入りです。

MIZUKI:ドラムはサビのリズムが意外と難しくて不思議なリズムパターンだったんですよ。だからレコーディング前にちょっと練習していきましたね。あと、ジェントのところがすごく難しかったです。この曲はすごくギターがカッコいいと思っていて。特にラストサビ前のギターが。

成美:ありがとうございます(笑)。元々ディミニッシュのフレーズが入っていたんですけど、そのデモ通りにたぶん弾きたくなかったんでしょうね(笑)。あそこはシンセとかが入ってなくてコードが定まっていないので、ギタリスト的にすごく自由な場所なんですよ。そこですっごい気持ち悪いスケールをぶちこんでやろうと、ちょっとムシャクシャしたノリでやった感じです。コンビネーションディミニッシュっていうスケールを使いました。

広瀬:この曲はちょっと幻想的というか、夢の中の感じがありますよね。夢心地感がある曲で、ハッと目が覚めちゃう感じのブレイクが好きです。

──9曲目の「Blind In The Chaos」はストレートなハードロック。とてもシリアスな曲ですね。聞き様によって失恋ソングにも聴こえるなと。

野村:この曲はどうやって歌ったらいいんだろう?って思いながら、ちょっと悩みつつ歌っていたような記憶があります。今まで自分の中に引き出しがなかったような感じの歌で、どうやって歌おう?って悩みながら歌っていました。

成美:ジャンル的には今まで私がやってきたこと音楽に近い曲だなと思ったんですけど、Maoさんが曲を作っているので、運指がとてつもないことになっていて、ギタリスト的にはちょっと苦労しながら録りました。

MIZUKI:私はこのテンポが絶妙で難しかったですね。なんか速いし、なんか難しい(笑)。16分だとすごく速いし、8分だとちょっと遅く感じるし。不思議でした。

広瀬:この曲のBメロのところにガッツリ私のコーラスが入っています。あと2番のAメロの“crazy”のところは歌う予定がなかったんですけど、“crazy”って2回言ってるから、掛け合いにしたら楽しいんじゃないかっていうことになって、掛け合いになりました。これも指を動かしながらコーラスするのは大変だと思ったので、練習しなきゃなと思いました。

──疾走感のある10曲目の「Rising Up For Gloria」はスケール感もあって、ラストを締め括るにふさわしい曲だなと思いました。

成美:音数がすごい詰まっているなと思いながら、バッキングがすでにリードみたいなアレンジだったので、これはMaoさん全任せでそのまま弾きました。

広瀬:この曲もドコドコ系ですよね。

成美:最前列のお客さんがヘドバンしてるのが見える。

MIZUKI:確かに(笑)。これはもう踏み倒すしかないですね。辛かったです。足がパンパンになりました。まだ麻衣ちゃんの歌が入ってなかったので、歌が楽しみだなと思っていたら、めちゃくちゃギャップがあって、「めっちゃいいじゃん!」ってすごいニヤニヤしながら聴きました。

野村:すごくメタルっぽい楽曲で、私はいかにもメタルみたいな感じの曲を歌ってきたことがなくて、私がこれを歌っていいのかな?っていう感覚もあり、初めて着る服みたいな感覚で歌いました。意外と合ってていいねっていうふうに言っていただけたので、よかったなと思いました。

広瀬:こういう曲もアルバムに入れたいねっていう話はみんなでしていて、腹を括った結果ではあるんですけど(笑)、まさか最後にこんな展開がくるとは!と、ビックリしました。麻衣ちゃんのファンの人もきっとビックリすると思う。

──改めて完成した今作を聴いて、どんなアルバムになったと思いますか?

野村:前作『First Utterance』とはまた雰囲気もガラッと変わって新しい挑戦だなと思うし、今作で新たな一面を見てもらって、前作を聴いてくださった方に“こんな面もあるんだね”と知ってもらえたら嬉しいですし、新しい人にも聴いてもらえたら嬉しいです。

広瀬:私たちはこれまで、それぞれの場所でいろんな活動をしてきた人間で、同じところを見てきたところもあれば、違うものを見てきたところもあって、その上で今同じバンドをやっているっていう状況じゃないですか。だからこのアルバムは、4人それぞれがこれまで歩んできた歴史の集合体なんじゃないかなと思っているんです。それぞれがやってきた音楽や、それぞれが聴いてきた音楽のルーツがこの10曲に詰まってます。この4人にしか出来ない、この4人にしか出せないアルバムなんじゃないかなって思います。

MIZUKI:1st EPに今回のアルバム曲がプラスされて、さらに幅が広がったなと思います。アルバムのテーマにもなってますけど、“負けたくない”とか“1番になりたい”とか、そういう思いが詰め込まれたアルバムになってよかったなって思っています。

成美:メンバー1人1人の音楽性がそもそも被っていないので、今はとりあえずぶつかることもなく、いろんなことをやっているんですけど、どんどん4人で練って新しい作品を作れるようになれたらいいなと思いながら、今回の作品をたくさんのみなさまに聴いてもらえたらいいなと思います。

──2023年2月11日(土)に東京・Veats Shibuyaでの初ライヴが決定しました。ライヴに向けた意気込みを聞かせてください。

野村:シンプルに今は不安でいっぱいなんですけど、私たちの初めてのライヴなので、そのステージを観て“次も観に行きたい”って思ってもらいたいっていうのが一番ですね。みなさんにそう思ってもらえるようなライヴにしたいと思います。

広瀬:私はまさに“Second To Noneじゃん”ってライブを観た人たちに思わせたいです。声優とミュージシャンを掛け合わせた理由を、口で説明せずともライブで感じてもらえたら嬉しいです。最初ってやっぱりすごく大事じゃないですか。このバンドに期待して来てくれるお客さんに、またライブに行きたいと思っていただけるかどうかは、私たちのパフォーマンス次第だと思っているので、何曲もベーシストとしてパフォーマンスしたことがないのでどんなライブになるのか今はまだ想像がつかないのですが、“絶対次も行きたい”って思わせるぐらいのパフォーマンスをしなきゃなっていう意気込みでいます。

MIZUKI:みなさんに“Lonesome_Blueっていいね”って思ってもらいたいですよね。1st EPも今回のアルバムもどの曲もいい曲なんで、この曲の良さをちゃんとライヴでも出せるように頑張りたいなと思うのと、フィジカルをもっと強くして備えたいと思います。パワー!(笑)

成美:ギタリストとして安心して観てもらえるようなフィジカルをつけつつ、自分だけが必死だと人を楽しませることに集中ができないので、お客さんにちゃんと楽しんでもらえるように下準備をしておきたいなと思います。



TEXT :大窪由香

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