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2022.09.07

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_4

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_4

M4. Black Keys

“楽園狂想曲”と同じく、こちらもThe Ravensならではの緻密かつダイナミックなアンサンブルが堪能できる、聴きどころ満載の一曲。繊細なピアノの旋律とジャズを感じさせるブレイクビーツ的な生ドラムの絡みが見事で、思わず感嘆してしまうような技巧を細部に凝らしてグルーヴを操りつつ、圧倒的なカタルシスを呼び込んでいく展開も素晴らしい。憂いを湛えながらもそれ以上に無限を翔んでゆくかのような開放的なメロディ、ここぞという時のサウンドの爆発力が、<薄氷の上 確証を捨て/ダンスホールに変えて 跳ね続けろ>というメッセージと共に現状から飛び出す力を与えてくれるような楽曲だ。

武史「これもムズい!」

Kj「(笑)。クソ攻めたHiatus Kayoteみたいな曲だよね。めちゃめちゃロック寄りになったHiatus Kayote、みたいな」

PABLO「サビが終わった後の難しいところ、俺あそこは弾いてないですもん。ピャーンッてチョーキングしてるだけ(笑)」

Kj「そうだよね、あそこ逃げたもんね(笑)。その瞬間、この曲はハンドマイクじゃないってことが決定した。あのリフは俺が弾くっていうことになって」

PABLO「俺にはあれはできないし、かと言って自分の中にないのに合わせてやるのはカッコ悪いなと思ったから、ああいう形にしました(笑)。この曲と“楽園狂想曲”は制作の中でもかなり後期、いい意味でバンドが煮詰まってきた時に書いた曲でもあるから、限界に挑戦した感がある。もっと複雑なことやってもイケんじゃね?みたいな、そういう気迫は感じたっすよね」

櫻井「これはリズムも難しいんだよなぁ」

渡辺「ピアノも難しいよ。この2曲はライヴで弾けるのかなっていう不安がある(笑)。でも、パッと聴きプログレッシヴな曲なんだけど、ちゃんと肉体感もあって。美しくもしたいし、ちょっと野蛮にもしたいし、その両方の側面を出せたらいいなと思って弾きましたね」

櫻井「音楽的にはちゃんと整理されてるのに、整理されてない鬼気迫った感じを出してくるのがすげえな、カッコいいなと思える曲ですね」


有泉智子(MUSICA編集長)

The Ravens『ANTHEMICS』

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