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2022.09.08

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_5

The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_5

M5. Never Come Back

PABLOが作曲したうちの一曲であり、今作唯一の英詞曲。Sigur Ros等のポストロック勢を想起させるような、アンビエントなギターワークが儚く幻想的なアトモスフィアを生み出すヴァース部から、次第に雄大な景色を切り拓いていく様がとても美しい。彼らのルーツのひとつにあるであろう、グランジ的な静と動のダイナミズムを高度な音楽的アプローチをもってアップデートするのは今作の多くの曲に見られるひとつの特徴だが、細やかに編まれたコード進行然り、それが最も繊細な形で表れた一曲でもあると思う。凛とした孤高の世界観を放ちながらも、どこかあたたかな体温を感じさせる点もいい。

PABLO「これはかなり初期、建志くんから『みんなも曲書いてよ』って話があって、じゃあ何を作ろうかなと思った時にイントロのあのフレーズが生まれてきて、そこから作った曲ですね。自分のギターのアルペジオだったり、凄くいいものを提供したいなっていうのがあったので、あそこから作っていったかな。それこそインプロでこういうアンビっぽいことを結構やってたから、その方面で作りたいなっていうのはちょっとあったかもしれない。あと、“Never Come Back”にしても“アポフェニア”にしても、建志くんがThe Ravensでは変拍子とか転調とかを実験的にしてるから、自分もそこは意識して、楽しみながら作りましたね。だから“Never Come Back”のヴァースの部分は繰り返しのコード進行がほぼなくて、凄いややこしいんですけど」

武史「あれ、本当にややこしい(笑)」

PABLO「(笑)。そういう仕掛けもロジック的にハメてみたら歌うの楽しいかなと思って」

Kj「“Never Come Back”はタイトルもPABLOがつけたの。で、俺はそのタイトルから連想して詞をつけたんだけど。PABLOの曲もシュンちゃんの曲もメロはふたりがつけたまま一切いじってないんだけど、俺はこれまで人が作ったメロを歌うっていう経験をほぼしてこなかったから、それも凄く新鮮で楽しかったし、刺激的だった」


有泉智子(MUSICA編集長)

The Ravens『ANTHEMICS』

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