The Ravens
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2022.10.07
The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_8
The Ravens『ANTHEMICS』Track By Track_8
M8. Wayfare
渡辺シュンスケが作曲した2曲のうちのひとつであると同時に、本作の中でも最もストレートなポップネスに溢れた楽曲。PABLOが「童心に返ってみんなで砂場で遊びながら作っていった感じがある」と話していた通り、今回のアルバムにはバンドを始めたばかりのキッズのような、とにかく音楽をかき鳴らすのが楽しくて堪らないと言わんばかりの真っ直ぐな少年性が聴こえてくる箇所が随所にあるが、その最たるものと言ってもいいだろう。面白いのは、渡辺が作曲した2曲はどちらも、ピアノは重要な背骨の部分を担いながらも演奏としては他の楽曲に比べると控えめで、メンバーの演奏や歌を躍動的に魅せられるかを重視したコンポーズがなされているところ。特にこの曲は、まさに彼から見たThe Ravensの姿なのだろう。
Kj「シュンちゃんが書いた2曲は、アルバムの中でも一番バラードと一番ポップな感じだよね」
渡辺「今回の2曲はあんまりリファレンスみたいなものはなくて。メンバー5人が演奏してるところとか建志くんが歌ってる姿を思い浮かべながら、ただただすごくいい曲を作りたいっていう想いの下に素直に書いた2曲ですね。このバンドで音楽的に試したいことはいろいろある――たとえばちょっとハイパーなR&Bとかもやってみたいんですけど、それはまあ次の機会かな。“Wayfarer”に関しては、ピアノはミニマムではありつつリフとして全体の見せ場を作った上で、建志くんが歌ったらいいだろうなっていうメロを考えて作っていったんですけど。この曲はほんと、The Ravensに入らなかったらたぶんできなかった曲だと思うんですよね」
Kj「わかる。たとえ自分の中にあったとしても、自分の表現では開けない引き出しってあるもんね。俺もこの曲、Schroeder- Headzにはあんまりないぐらい開放感のある曲だなと思った。こんなストーン!みたいな、真っ直ぐレールを敷くようなことをするんだなっていうのは意外だったな」
■この曲は瑞々しい蒼さとピュアな少年性を強く感じる楽曲なんですけど、それはシュンスケさんから見たこのバンドのイメージでもあるのかなと思ったんですけど。
渡辺「そうですね。もうね、ライヴ中に少年のような笑顔でこっち向くんですよ。なんちゅう笑顔すんだよ!と思って」
Kj「でもシュンちゃん、The Ravensで初めてライヴやった時、客がダイブしてきてすげぇビックリしてたもんね(笑)」
渡辺「そう。人が降ってくるライヴって人生で初めてだったから、最初は意味がわかんなくて(笑)。でもそれがすごく楽しかった。そういう気持ちも音に出たのかもしれません」
有泉智子(MUSICA編集長)
The Ravens『ANTHEMICS』
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