PROFILE プロフィール

古くからのポピュラー音楽ファンにとって、101ストリングスという楽団名は馴染み深く、そのサウンドもさまざまな場所で耳にし続けてきました。しかし、これほど身近な存在にもかかわらず、101ストリングスの“実態”はよくわからないで来た感じがします。101ストリングスはクラシック畑の一流ミュージシャンが集まってポピュラー曲（クラシック曲を演奏する場合でも、ポピュラー音楽の形にまとめてあるのはもちろんです）を演奏する時に使う楽団名です。＜101本の弦を中心に、ブラスやリズム・セクションを加えた総勢140人のイージーリスニング・オーケストラ。メンバーはクラシック畑の一流オーケストラからピックアップした人達で、中心になるのはロンドン交響楽団、ハンブルク交響楽団など。指揮は主としてリチャード・ミラー・ランパーツが当り、編曲にはモンティ・ケリー、ロバート・ローデン、ヨーゼフ・クーンなどが当っている＞というのが、この楽団の“公式”紹介です。
　これに少し書き加えれば、101ストリングスがハンブルクでスタートした時には、指揮をウィルヘルム・シュテファン、編曲をヨーゼフ・クーンが受け持っていたのですが、1964年にこの音源ごとアル・シャーマンが率いるアルシャイア・インターナショナルが権利を買い取った時、楽団の活躍の本拠地がドイツからイギリス･ロンドンに変わったわけです（以上は、出谷啓著「CDで聴くムード・ミュージックとイージーリスニングのスターたち」・芸術現代社発行を参照にしました）。前記の指揮・編曲者の顔ぶれは、ですからイギリスへ移動してからの人達が大部分と思われます。