雅楽の音の持つ力を知ってもらいたかった。演奏者はもとより音づくりからジャケットのデザインにいたるまで、前例のないことに挑戦している。アルバムは陰と陽のバランスをとり古典と現代、西洋と東洋、過去と未来の二重構成により二枚組になっている。それを実現するために東西から鬼才が集まった。
そこから生まれた音楽に聴き手は思いがけぬ風景や登場人物に出会うことだろう。
 それらのヴィジョンは聴き手の皆さんへのプレゼントである。 
岡野玲子 

 
   雅楽というスタイルはこれまで知らなかった宇宙を見せてくれる表現形式である。なんと新しくエキサイティングな音楽であろうか。たいへんに官能的な、宇宙との交感であり、立派な神秘体験である。ブライアン・イーノの曲もまた、これに呼応するかのように、もうひとつの宇宙をその横に広げてみせた。
 陰と陽との二重螺旋が、大地から天に向かって混沌の中を立ち昇ってゆくかのごとくに、ふたつのスタイルの音楽が、不思議な心地よいベクトルを持った宇宙を創造しているのがこのCDである。
夢枕獏 

(C)岡野玲子・夢枕獏/白泉社
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