日本版フォープレイなんて陳腐なコピーは似合わない。半ば神格化された先達ミュージシャン達の歴史に楔を打ち込む僕ら新世代のスタンダードの成立だ。
これ程の強い個性を持ったミュージシャン達の融合が可能なのは、彼等は音楽が技術ではなく心であることを知っているからだ。我が儘でいて我が儘じゃない。これからはどれだけ人々が融和していくかが大切な時代だ。しかし、もちろんその背後にある歴史へのリスペクトと確かな技術がそこにより説得力を持たせるのだ。
今作は4人が気を遣いあってる節があるのも否めない感じもするけれど、これからのライヴ・パフォーマンスでこのユニットの真価がより熟成していくのが楽しみである。FOUR OF A KINDはむしろ、そこからのような気がする。ともあれ4人さん、責任重大ですぞ。かろやかに歴史を変えていって下さい。




 この4人の組み合わせって、なさそうでありそな、ありそでなさそな、まずはメンバーをみた時に最初に感じた印象でした。それでまた出来あがる音も、想像できそうで?な、?な様で想像できそうな不思議な期待を持ったわけでございます。いよいよ、CDプレイヤーに乗っけてみると・・・・これをお読みのみなさん!! なんと気楽で、なんと暖かで、なんと懐かしくて、なんと新鮮なことか!
わかってる連中が確信犯で作り上げたこのアルバムは、正統さとマンネリはおにぎりと石ころぐらい違うんだ!ってことをとても優しく伝えてくれます(うまく言えまへんが・・・・)。
それよりも何よりも、ぼくが実はいつでも、いつまででも聴き続けるインストのCDが見つかる時って、こんなアルバムがツボを突いてくれた時なんですよ!!




 2001年秋、私にとって初めてのコンサート・ツアーで、各地を共に旅した「仲間」であるsaltさんから、一枚のアルバムが届いた。聴いていて、とても面白くて楽しかった。
4人のプレイヤーが奏でる音は、個性的でそれぞれがクリアに伝わってくる。それでいて迷うことなく溶けあって、心地良い。整然と並んだ音やリズムなのに、ユーモアにあふれた表情を見せてくれる。
ピアノに対して憧れとコンプレックスを抱く私にとって、saltさんのピアノは、そんなものをスカッと追っ払ってくれるような清涼感を感じさせる。(あんな風に弾いてみたいなぁ)、その気にさせる演奏、そして”FOUR OF A KIND”.・・・。軽やかで無邪気でカッコイイ・・・最高じゃないですかっ!




 なまじみんなのスケジュールを知っているだけに、この4人がバンドを組むなんて信じられなかったですが、なまじみんなの音を知っているだけに、聴く前にイマジネーション・グルーヴでアドレナリンを事前暴発してしまいました。
どのケミストリー考えてもハズしようがないのは当り前ですが、そのシミュレーションをはるかに越えるカッコ良さ。真っ先に浮かんだのは「ライヴのチケット取れないだろうなぁ。」ということ。タカさん、今からお願いします!




 この4人が出会う事はある程度予感はしていた。彼らは実力も人気もあり、おまけに多忙を極める。いわゆる一流と呼ばれるそのプレイは、これまで多くの「場」で聴く機会があった。そして、そんな一流プレイヤー達は、必ず自分の確固たる「音」を持ち合わせている。一聴するだけで誰のプレイか判別できる抜群の存在感。その「音」が今ここに同一空間で同時に鳴り、メロディーを、ソロを、グルーヴを打ち出しサウンドを形成している。何という贅沢。しかしこれは偶然ではなく、必然という名の下に集まった、プロフェッショナルな男たちの新たな可能性の追求、そして誕生である。



 これは凄いです!究極のプロジェクトと言うべき「フォー・オブ・ア・カインド」は、本田雅人、塩谷哲、青木智仁、沼澤尚の4人のトップ・プレイヤーが集結した、世にも恐ろしいフュージョン・プロジェクト!! マーヴィン・ゲイの名曲「ホワッツ・ゴーイング・オン」をはじめ、70年代R&Bの香りを漂わせつつ、ファンキー・ナンバーで思いっきりグルーヴする全9曲収録。新世紀のフュージョン・サウンドを肌で感じ取って下さい。



 予てから噂だったドリーム・バンドの音が届いた時、このメンバーならきっとキメキメのハイパー・フュージョンだろうと勝手に高を括っていた自分がバカだった。本田氏がEWIを使用していなかったり、SALT氏がピアノやローズ・ピアノのみだったりと、アコースティックまたはアナログ的なコンセプトにこだわって、この4人がバンドとして1枚のアルバムを作ることは非常に意味深いことだと思う。いい意味で完全に肩すかしをくらった。全面支持!!



 この4人がユニットを組んだ!! となればもうカッコイイに決ってますよね。案の定、冒頭からもうガツーンとやられちゃいました。この音はどう聴いても本田くん、このソロはSALT、うーんやっぱりタカさん、ああ青木さんだ、ってそれぞれがしっかり自己主張していて、でもちゃんとまとまっていて、気持ちイイのです。個人的には、本田くんのバリトン(私、本田くんのバリトンの音が大好きなんですよね)が聴ける「Jolly Big Feet」が特にお気に入りかな。



 身も心も、もっていかれそうなグルーヴ感だ。余裕しゃくしゃく、凄腕4人が切る最強のカード。悔しいほどにカッコいい。憎らしいほどに楽しそう。ま、そんなこと、感度のいい女の子たちはとっくに知っているのだけど。だから次はあなたが虜になる番、でしょ!



 自分がやりたいことはそれぞれのソロ・アルバムで表現している4人のトップ・ミュージシャン(音楽誌『ADLIB』の読者人気投票〜各楽器部門でこの4人はここ3年1位)が一緒にバンドを作るとどうなるか?僕はこの新鮮なアプローチに一遍にひきつけられた。何か途方もない演奏と言うほかはない。
例えば、塩谷哲作曲の「Steamy City」での本田のサックス・ソロにあきらかに新しさと変化を感じる様に、この作品は、4人が互いに新しく刺激し合い、これまでにない多彩なプレイを表現しているだけでなく、持ち寄ったオリジナル曲もテンションが高く、スリリングでどの曲も冒険心に溢れている。これは無限の可能性を秘めた4人の未知の奥底にある新たな音を探るプロジェクトといえるものだ。この向こうに新しいジャズの在り方が透けて見えてくる。


 
Copyright (c) 2002 Victor Entertainment, Inc. All rights reserved.