GOING UNDER GROUND

サンキュー

2004.09.22
12cmシングル / VICL-35704
¥1,100(税込)
HAPPYHOUSE

夢見る男子へ
優しき女子へ
2004年秋、ゴーイングが贈る
とっておきのニューシングル

  1. 01

    サンキュー

  2. 02

    青空コウモリ

“GOING UNDER GROUNDが手にした信念 どこかでかならず。僕らを守り繋げる歌”

 オルゴールみたいな優しい音色に導かれて、ひとつひとつの言葉を丁寧に発する歌声。全ての音が緻密に鳴って大胆に絡み合い、スケールの大きなグルーヴを漂わせている「サンキュー」。
これが、GOINGUNDER GROUNDが2001年にメジャー・デビューしてから通算8枚目となるマキシ・シングルだ。この曲はきっと、昨年から今年にかけて行われた全国ツアー“every breath”がなければ生まれなかっただろう。
 あのツアーで彼らは、シーンにいる他のロック・バンドたちとは違う視点で、たったひとつの重要なことを追い求めていた。彼らが追い求めたもの――それは、カッコつけず素直に「伝えたい」と思う、そこに漲るエネルギーだったのではないか。彼ら5人の胸に鳴り響く鼓動や不安や喜びや感情の全てを真摯に放ち、更に会場からの声や想いが返される度にテンションが高まるような、そんな繋がりが生まれていた。汗にまみれて歌い、祈るように音をかき鳴らし、時にコミカルに足を踏み鳴らして踊り、感情の全てを目の前にいる人と分かち合った。この曲は、そんな実りあるツアーの賜物なのだろう。
 例えば「こんなこと言ったら嫌われないかな?」「本当の気持ちを知ったらびっくりするかな?」と、心の中にある小さな部屋でやり取りされる自問自答は大きな不安を産み、時に体ごと支配してしまう。だからこそいろんな葛藤を跳ね除けてそれを「伝えたい」と思うのは、とても素敵なことだ。そこにほんの少しの勇気や、驚くほどの力を引き連れてくるから。だからライヴ中に松本素生はよく「カッコ悪くたっていいんだよ!」「恥ずかしがることなんてないよ!」と臆面も無く言う。それを合図に、大きな声で歌は繋がっていった。「ありがとう」も「大好き」も「ごめんね」も「また会おうね」も、全部乗せて。彼らは「伝えたい」と想う気持ちが、どれほど日々を支え、誰かを支え、自分を支えているかを伝えようとしている。何故、そんなことに必死になるのか。それも今作「サンキュー」を聴けば明確だ。伝えられずに孤独や悔しさを覚えた、過去の想いまで綴られている。
 大好きな人も、街も、物も。離れてみて、失ってみてから大切さに気が付くことがある。振り返らずに歩いているつもりでも、心のどこかでいつもひっかかっていたりする。そんなかつての想いにも、そして今ここにあるものにも「サンキュー」と歌いきる。《泣きたいときに泣ける強さが/どこかでかならず僕らを守りつなげる》。そのことを音楽を通じ、活動を通じて知ったGOING UNDER GROUNDだからこそ「ありがとう」を告げる感動的なミディアム・ナンバーが今こうして生まれた。
雄大なメロディに、彼らが追い求め続けることへの意志を鋭く刻んだ1曲である。ひさびさのセルフ・プロデュースであることも踏まえ、揺るぎ無いバンド・グルーヴが彩る現在位置を感じてもらえるだろう。


ライター・上野三樹

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