--いろんな人と一緒にやるのはそういう意味もある。サカナクションをひとつのハブにして、いろんな人たちが間接的に繋がっていて、そういう人たちが集まると、サカナクションのパーティーになる。
「影響力の使い方って、そういうところにある気がするんですよね。僕がBibioの音楽がいいってツイッターでつぶやくと、僕らのファンの子でBibioを好きになった子が結構いて、Bibioのインスタグラムに日本語で”可愛いですね”とか”これ最高です”とか、バンバンコメント書いてるんですよ(笑)。そうしたらこないだBibioが日本語で”ありがとう”って書いて写真をアップしたんですよ(笑)。それって影響を与えたってことですよね? 俺って日本で人気があるらしい。日本人がいいねって言ってくれてる。それが本人に伝わったってことは大きな影響力だと思うし、たとえば自分たちのイベントでBibioに演奏して欲しいっていう時に、そういう繋がりがあるのって大事だと思うんですよ」
--それは正しいSNSの使い方ですね。
「いやほんとに。自分の好きな音楽をSNSでどんどん発表できるし、それでひっかかった人たちが、僕たちがそのアーティストを呼んだ時に集まって聴ける。それこそサウンドトライブだと思うし。自分の好きな音楽のことをファン100人に伝えたとしても、100人全員が好きになるとは思っていない。100人中1,2人でいいんですよ。でもその1,2人が音楽への理解を深めてくれることが大事なのであって。それがなくなってしまったら、自分たちの活動さえも意味がなくなってしまう」
--自分たちの音楽が伝わらなくなることが,自分たちの活動を無意味化するんじゃなくて。
「…だからミュージシャンぽくないんですよたぶん(笑)」
--そうなるとあなたのやってることには終わりがないですね。これさえやり遂げれば達成、ということがないでしょう。
「そうですね。音楽だけだったらそうかもしれない。でも音楽って、音楽に関わる音楽以外のことも含めて音楽って言われてる気がするんですよ。音楽からの影響が音楽以外のカルチャーを生んでいく。ファッションもそうだし、ほかのカルチャーも。音楽から発信したものがすごく多い。そこもきっちりひとつの括りの中で考えられるような時代が来たとき、(自分のやることの)終わりが来る気がしますね。渋谷系のフリッパーズ・ギターの時もそうだったじゃないですか。あの2人のファッションに影響を受けて、同じような格好をした人たちが爆発的に増えた。きゃりーぱみゅぱみゅ現象もそうだけど、そういうことって音楽から生まれるひとつのエネルギーだと思うんですよ。僕はそういった現象を現代において発生させたい気がしてる」
--最後の「Sample STUDIO LIVE guest 佐々木"SUNNY"幸生」です。これはもう、実に素晴らしい最高の演奏でした。
「ありがとうございます!」
--あれはどういうきっかけでやることになったんですか。
「もともと<SAMPLE>をTAICOCLUBでやるにあたって、ライヴ用のアレンジをしようということで、進めてたんですけど、出来上がってみたらすごくよくて、じゃあこのままUstreamで配信しちゃおう、みたいな」
--TAICOCLUBはどうしたんですか。
「失敗しちゃったんです(笑)。構成間違えちゃった(笑)。だからそのリベンジも兼ねてやっちゃおうかって感じだったんですね。でもあのグルーヴはあの瞬間しか出せなくて、けっこうみんなもノリノリでしたね」