INTERVIEW

Special Interview Vol.2 3/4

--ライヴで演奏するにあたって難しいところはあるんですか。

「グルーヴですね。ギターのカッティングとドラムで気持ちよくなかったら、この曲のグルーヴはまったく成立しないんで。かつPCも同期して演奏するから、ドラムがドンカマ(クリック)を聞きながらグルーヴを出すのは難しい。今まで以上にセンシティヴですね」

--ほかの曲と比べても?

「難しい。前回のツアーで言ったら<なんてったって春>。あれもすごく難しかったんですよ。ミドルテンポのファンキーな曲。でもこれができるようになったら、けっこうなんでもできると思いますよ」

--レコーディングしてる時にライヴの再現性って考えますか。

「ほぼ考えてないですね。なので音源通りにやるってことはほぼないです。キックの音色とかもレコーディング通りになるわけないし。レコーディングとライヴは圧倒的に聞こえ方が違いますからね。ライヴは低音が主になるんで。それに対しての上モノって考え方になると、全然違う曲になってきますね。」

--ライヴとレコードでは音響に対する考え方が違うと。

「まったく違う。たとえばベースシンセとか入る曲。ベースシンセってレコーディングで聴いてるベースシンセと生のベースの違いってそんなに感じないけど、ライヴになると生のベースの低音感とベースシンセの低音感ってまったく違うんですよ。体感として。ライヴの低音で感じるノリって、レコーディングで感じるノリと全然違うんですよ。だからそこはイメージしながらアレンジするんで。あとは合唱。実際にナマで歌うのじゃ足りないから、PCで同期して出すから。PC+地声。そこでどのへんの帯域で出すか。そのへんとかいつも考えてますね」

--ライヴのリハでやってみて、うまくいかなくてメニューから外した曲とかあるんですか。

「<スローモーション>って曲があるんですけど(シングル<ルーキー>のカップリング曲。2011年)、それはレコーディングでは歌えたけど、ライヴでは歌えないぐらいキーが高くて。で外しました」

--作った時に歌えるかどうか気にしなかったんですか。

「しなかったですねえ(苦笑)。ライヴの1曲目なら歌えるけど後半は無理」

--ああ、そういうのあるんですね。

「ええ。なので今もライヴで封印してます。アレンジ面でできなかった曲はないですね。ただ(曲を再現するために)機材がどんどん増えていく。それはちょっと問題ですけどね」