ODESSAはロンドンのピカデリー・サーカス近隣を根拠に活動するチャールス・ホドキンソンが率いるユニットだ。30代半ばのチャ?ルスは、世代的にみてもディスコ・ブームの原体験組ではなく、TVやビデオで『サタデー・ナイト・フィーバー』(77年)を観たような、遅れてきた世代であろう。クラブ系の音楽は未来志向のイメージが強いが、ひと頃のレア・グルーヴのムーヴメントが物語っているように、温故知新の部分も強く、新しいサウンドのクリエイターたちは、ダンス・クラシックから自分たちの音楽表現にふさわしいヒントを見つけ出して、個性的なスタイルを作り上げている。その意味では、ODESSAの誕生は必然的なことで、彼が「ダンス」と「ポップ」をキーワードにしたこのアルバムを制作したのも納得出来る。今回、ODESSAは、チャールスに加えて二人の実力派の女性シンガー、ニニとジア・ウィリアムスがフィーチュアされ、3人の男女混成のユニットとして登場した。ニニはアルゼンチンの父親とフレンチの母親を持つエキゾチックな美女。ジアはメロディックなホップスを歌い、成功を目指している新進シンガーである。
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