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ストーリー
 
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11月6日(火)
いよいよクランクイン

昨日からの小雨も集合時間には一時あがり、準備も好調。撮影1発目は、西島秀俊さん扮する新聞記者・岡本利夫と宇崎竜童さん扮する安藤刑事が食堂で昼飯を食べるシーンからスタート。

よく言えば味のある、悪く言えば寂れた雰囲気のある食堂(快く撮影に協力してくれた店主さん、ごめんなさい!)をお借りして撮影。そういえば、昔の刑事ものでは、こんな食堂で刑事さんたちが食事をしていたな、とふと思った。
本日2シーン目は、撮影場所を佐賀県総合庁舎に移動。総合庁舎の表を安藤刑事が働く警察署の表にみたてて撮影。新聞記者の利夫が安藤刑事の出待ちをして一緒に食事に行くことになるというシーン。

つまり、最初に撮ったシーンの1つ前のシーン。モニターを見ていた監督がちょっと首をひねる。台詞の間合いについて、宇崎さんと監督が意見交換。宇崎さんは監督の前作『オリオン座からの招待状』にも出演しているので、お二人の会話には冗談や笑顔が絶えない。
一方、西島さんは、利夫を無視して進んでいく安藤刑事を追いかける動きのため、動き出す間合いや歩く速度の確認など真剣な表情で監督と話し合っていた。

それにしても、先ほどの食堂や、安藤刑事のロングコートのくたれ具合や、宇崎さんが良いタイミングでパンパンッとはたいてかぶる帽子など、昔映画やテレビで観た刑事さんたちを思い出す。
そう、『春よこい』の時代設定は昭和の晩年。西暦にすると1980年代前半なのだ。1980年代前半といえば、イケイケでバブリーな時代に向かってまっしぐら、というイメージが一般的。
ところが、この映画の舞台は佐賀県、呼子町。人のぬくもりが感じられるこの町では、当時もきっとバブリーな雰囲気に踊らされることなく、今と変わらない海がきらめき、人々が笑い合っていていたんだろうな。

映画『春よこい』は、そんな町で、本当にささやかで、小さな小さな幸せに感謝しながら暮らしていた家族に起こるお話。私たちは、なんて幸せなんだろう!と、主人公夫婦が喜びをかみしめているところから、物語は始まるのです。

 
 
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