時をこえて《あなたの心に》響く、魅惑の歌声・・・
才女(マルチタレント)・中山千夏、“流行歌手”としての魅力のすべて!
女優、司会者、エッセイスト、小説家、国会議員・・・
多才な顔を持つ中山千夏が、歌手として発表した代表作を網羅!!
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01
あなたの心に
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02
Zen Zen ブルース
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03
とまらない汽車
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04
どうせ
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05
一度だけ
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06
あなた、愛をください
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07
三日月に乗って
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08
砂漠
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09
いけない恋をしちゃった
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10
波うつ愛のうた
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11
逃げたお日様
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12
宇宙にとびこめ
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13
ほそい銀色の雨
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14
はじまり
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15
冷たい雨
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16
だからもう花は咲かない
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17
愛する罪
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18
私のうたはどこにあるの
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19
ひどい目にあった
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20
私がも一度笑えるように
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21
広島の川
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22
老人と海
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23
恋はトマト色
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24
いつもの小道で
21歳で自ら作詞、当時無名の学生だった都倉俊一が作曲して大ヒット、
今でも歌い継がれる名曲となった「あなたの心に」他、
ビクター時代の音源を集大成。(1~14:シングル7枚・AB面
/15~20:LP『おりじなる・ふぁーすと・あるばむ』より)
さらに、各社音源も追加収録。(21~24/23, 24は初CD化)
フォーク、ロック、R&B、ボサノヴァ…多彩な曲調を歌いこなす抜群の歌唱力と
才気あふれる自作の歌詞は、今でも新鮮に響きます。(1969~80年録音)
当時の制作スタッフによる貴重な証言を含むライナーも掲載!
●解説:加藤義彦(文筆家)
*以下、ライナーノーツより(一部抜粋)
中山千夏―――昭和の名曲「あなたの心に」を歌って大ヒットを飛ばしたシンガーであり、役者、司会者としても活躍した多才の人である。本CDは、歌手ごとに代表曲を集めた「ゴールデン☆ベスト」シリーズの1枚で、中山千夏がビクターレコード、現在のビクターエンタテインメントに残した主な楽曲が収められている。
中山千夏は1948年、熊本に生まれ、大阪で育った。幼いころから役者として舞台に立ち、『がめつい奴』で演じた孤児、テコが当たり役となった。また、1970年に主演したホームドラマ『お荷物小荷物』(朝日放送)は〈脱ドラマ〉の異名をとり、最高視聴率36パーセントを記録。世の男性たちから熱い視線を浴び、吉永小百合のファンが「サユリスト」と呼ばれたことから、中山の支持者は「チナチスト」と称された。さらに同じころ、日本テレビから生放送されていた『お昼のワイドショー』の司会も担当。その世相を鋭く斬った発言が評判となり、マスコミは「才女」ともてはやした。
1970年代の半ばから市民運動へ傾倒。1980年には参議院選挙に立候補して当選し、国会議員を1期つとめた。テレビの世界とは縁遠くなった中山だったが、1981年に放送が始まったアニメ『じゃりン子チエ』(毎日放送)では、主人公の少女チエの吹きかえを担当。テーマソングも歌い、番組の大ヒットに貢献した。その一方で、エッセイスト、小説家としても活躍。1980年に発表した自伝的小説『子役の時間』などが計3回、直木賞の候補作品に選ばれるなど、その文才は高く評価され、これまでに70冊あまりの著書を世に送った。また近刊『幸子さんと私』は、亡き実母との葛藤を赤裸々につづったもので、各方面で話題を呼んだ。
中山と歌の関わりは、少女時代にさかのぼる。出演したミュージカルの舞台公演や、博士役を好演したミュージカル人形劇『ひょっこりひょうたん島』(NHK)などで、その歌声を披露。そして21歳のときに、自ら作詞した「あなたの心に」を吹きこみ、当時のビクターレコードから正式に歌手デビューした。作曲は都倉俊一。のちに山本リンダ、ピンク・レディーらを手がけてヒットメーカーの仲間入りを果たしたが、当時は無名の大学生であり、これが他人に書いた初めての曲だった。「あなたの心に」はチャートの2位まで上昇。今も歌いつがれる、中山の代表曲となった。
1970年代の半ばになると、中山はジャズピアニスト、作編曲家で当時の夫だった佐藤允彦と組んで、ソロアルバムを次々に発表。ポピュラーソングだけでなく、現代音楽、童謡ほか幅広い分野の音楽と取り組み、歌い手としての表現力の豊かさを示した。1980年代に入ると、歌手は休業状態となったが、1999年7月に、東京の草月ホールでリサイタルを開催。盟友の歌手・長谷川きよしとステージに立ち、自身のヒット曲などを久しぶりに歌った。その後は再び「歌」と縁遠くなってしまったが、歌手活動の再開を望むファンは今も多い。