アモルフィス
AMORPHIS
マジック・アンド・メイヘム - テイルズ・フロム・ジ・アーリー・イヤーズ
MAGIC & MAYHEM - TALES FROM THE EARLY YEARS

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01
マジック・アンド・メイヘム MAGIC AND MAYHEM
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02
ヴァルガー・ネクロラトリィ VULGAR NECROLATRY
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03
イントゥ・ハイディング INTO HIDING
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04
ブラック・ウィンター・デイ BLACK WINTER DAY
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05
オン・リッチ・アンド・プアー ON RICH AND POOR
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06
エグザイル・オブ・ザ・サンズ・オブ・ウィスリュー EXILE OF THE SONS OF UISLIU
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07
キャスタウェイ THE CASTAWAY
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08
ソング・オブ・ザ・トラブルド・ワン SONG OF THE TROUBLED ONE
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09
サイン・フロム・ザ・ノース・サイド SIGN FROM THE NORTH SIDE
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10
ドラウンド・メイド DROWNED MAID
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11
アゲインスト・ウィドウズ AGAINST WIDOWS
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12
マイ・カンタレ MY KANTELE
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13
ハートに火をつけて LIGHT MY FIRE
のちに「メロディック・デス・メタルの祖のひとつ」と呼ばれるAMOPRHISが1990年に結成してから、今年で20年が経った。そんな記念すべき年に、そのメロディック・デス時代の名曲を現行ラインナップで再録音したアルバムを投下する。
本作は、92年発表の1stアルバム「THE KARELIAN ISTHMUS」、94年発表の2ndアルバム「TALES FROM THE THOUSAND LAKES」、96年発表の3rdアルバム「ELEGY」といった、初期3枚から選曲されている。とりわけ、メロディック・デス史に残る2ndと、ノーマル・ヴォイスを多用し、叙情的な北欧ロック・テイストを盛り込んだ3rdは、AMORPHISの歴史の中でも、欠くことのできない傑作である。
ニュー・シンガーのトミ・ヨーツセンが加入してからの3枚のアルバムはどれも評価が高く、それは、ヨーロッパ屈指と評されるヨーツセンのヴォーカル・ワークに寄るところが大きい。破滅的なデス・ヴォイスを発したかと思えば、ノーマル・ヴォイスで官能的に歌い上げることもでき、さらにその両方のヴォーカリゼーションが超一級品という類稀なシンガーであるヨーツセンが、メロディック・デス・メタルの記念碑的アルバムである1stと2nd、ノーマル・ヴォイスの専任シンガーを迎え、プログレ的手法も用い、メロデスという枠を飛び越えた3rdの名曲を歌うことは、AMORPHISファンは待ち望んでいた企画であることだろう。
なお、本作にはTHE DOORSの“Light My Fire”(ハートに火をつけて)のカヴァーが収録されている。実は、「TALES FROM THE THOUSAND LAKES」の欧州盤の限定デジパックで、約16年前にもこの曲をカヴァーしている。つまり、今回収録されているのは、『カヴァーのセルフ・カヴァー』という形になる。AMORPHISの熱心なファンは、思わずニンマリの選曲である。
アートワークは、ここ3作品はすべて手掛けているトラヴィス・スミスではなく、EMPERORやDISSECTIONの代表作、そしてAMORPHISの「ELEGY」も手掛けた、ネクロロードこと、クリスチャン・ワーリンだ。より獰猛だった時代のAMORPHISを表現するのには、最適のアーティストである。
結成20周年を迎えるベテランは、フィンランドのグラミー賞『EMMA Awards Gaala 2010』にて、最新スタジオ作「SKYFORGER」が、見事メタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーに輝き、さらに今年7月、同作は祖国にて15,000枚を売り上げ、ゴールド・ディスクに認定されている。