《第5回》 石川智晶VS松本梨香

7月29日に発売予定のゲームソフト「戦国BASARA3」のエンディング曲「逆光」を担当することが決まった石川智晶。対談コーナーも五回目を迎え、今回は初めて女性ゲストが登場。声優、俳優、歌手などマルチに活躍中の松本梨香さんだ。じっくりと話すのは今回が初めての二人だったが、仕事に対する姿勢や悩みなど共通点が多く、まるで漫才のような爆笑の絶えない、女子本音トークとなった。



石川「女性のゲストは初めてだけど、ぜひ松本さんにお願いしたいなと思って。チッヒー(米倉千尋)のライブの時に楽屋で一緒になったりしたけど、ちゃんと向き合って話したことはなかったから」

松本「そうだね、で、何話そうか?(笑)」

石川「人間・松本梨香について。私もそうだけど、この業界だと上と下の世代の間でしょ。世代的にも共通点があるし、直観的に自分と目線が同じ人だなって感じたのね」

松本「ありがとう。基本的に私は仕事とプライベートを分けていない。というか、ほとんど素。裏表がないってよく言われたりする・・・」

石川「そう、最初に会った時にあまりに素だから、びっくりしたもん(笑)。人前で裸になれちゃう人だなって、でもそれって自分で自分の責任がとれない人には出来ないことだよね。楽しい人と出会えたなって思っていて」

松本「それはうれしいな。梨香はね、相手が何をやっている人だとか関係なくいろんな人たちと付き合っていきたい・・・。よく何をやっている人なんですかって聞かれたりするけど、日本人って、年齢とか肩書きとかをとっても知りたがる人が多いと思う。」

石川「話す時の安心材料として知りたいんだろうね。松本さんはそれこそ歌手、声優、役者と、肩書きがいっぱいあるわけでしょ」

松本「私はいろんなお仕事を全部やってこそ「松本梨香」だと思っているから。よく取材で本当は何がやりたいんですかとか、どうやって区別しているんですかって質問されるんだけど、「松本梨香を表現している。だから私にとっては肩書きって必要ないと思ってる。垣根無くひとりの人として人と付き合えるって、本当に大事だと思っているから」

石川「ある程度年齢を重ねてくると、作品に作り手の人間が見えちゃうことがある。人間の大事な部分がダメだと、作品を作って発信しても自分が感動しなくなる。だから「ちゃんとしなくっちゃ」っていうわけじゃないんだけど、でも人間性って大事かもと思うんだよね」

松本「うん!そうだよね。結構ちゃんとしているじゃん、なんて(笑)」

石川「そうね(笑)。年をとっていくほど、意地悪になったり、頑固になったりする人もいるじゃない!? そうならないようにしないといけないなって」

松本「そういう人はきっと自分が弱いからなのかもね。私はこう見えても、自分が傷つきやすい(笑)。だからこそ、相手が傷つくだろうなってことはしない。神様は見ているっていう意識かな。神様は自分に置き換えられたりもするんだけど、自分には嘘がつけないってところかな。その中で、これはいいことだなと思うことを選択したい。ハッピーになることとか、人が喜んでくれることとか笑顔が生まれたりだとか・・・。でもそう思っていても、誰かを傷つけてしまうことや、回りまわって周囲に謝らなきゃいけないことになっちゃう場合も、現実に仕事をしているとあるじゃない?そういう時は誠心誠意、謝ればいいと思っているのね。生き方としては、そんなところかな。嘘をついたり、誤魔化したりがイヤなの」

石川「わかるよ。松本さんが実はとってもセンシティブな人だっていうことも、自分に嘘がつけない人だってことも。だから松本さんは目立つのよ。だって、みんなそんなに正直ではないから。言いたいことを言う、やりたいことをやるとなると自分に責任が出てくるし、ダメだった時にその始末をしなくちゃならないわけでしょ。その重みに耐えられないんだよね。だからみんなと同じ通り一遍のことを言ったり、周りに流されたりする。でもアーティスイックな面で捉えた時、表現者としては廃れていくと思う。松本さんは正しき方向でちゃんと生きている。だから目立つんだけど(笑)」

松本「自分のためというより、人が喜んでくれているから、頑張れるんだよね。人のためだったら自分を奮い立たせることができる。声優も歌も芝居も望まれているからやっているんであって、趣味として自分のためだけにやるっていうんだったら、私はできないかもしれない」

石川「それもわかる。好きでこの世界に飛び込んだけど、好きという気持ちだけでやり続けるのは無理だよね。そこに聴いてくれる人がいるというところが非常に重要だったりする」

松本「ただこう見えても、何かをする時に人の意見を聞き過ぎちゃうところもあったりする」

石川「出た、“こう見えても”発言(笑)」

松本「よく思い立ったら即行動しているように思われたり、パンパンと物を言っているように思われがちだけど、実はそうでもなくて。何かやりたいことがあっても、「どう思う? 」って相手に委ねちゃうっていうか。それが良い面でも悪い面でもあると思っているんだけど」

石川「でも相手はこういうふうに答えるだろうなっていうのは、わかっているんじゃない? わかっていて、でも一応、意見を聞くみたいな」

松本「う〜ん、そうなのかなぁ?でも例えば「これを飲みたい」と思っていても、みんなが何を頼むのかを聞いてから、頼んだりするのね」

石川「でも自分の飲みたいものを頼むんでしょ?」

松本「自分の中では2番目、3番目の候補もあって、それはみんなの注文によって変えたりするんだよね」

石川「へ〜え、そうなのね。」

松本「バランスを取ろうとするっていうのかな。父が劇団の座長をしていたから、小さい頃から大人も子供も含めて20人ぐらいが家にいて、一緒にご飯を食べるという環境で育ったせいかもしれないね。今は何が必要なのかとか、お茶を運ぶタイミングだなとか、教えられたわけではないんだけど、周囲を見て行動するというのが染みついちゃっているところがあるのかもしれない」

石川「子供の頃の環境って、その後の人間形成にすごく影響するよね。そこで得たものもあればトラウマもあって、自分のベースが作られていく。そう考えるとある意味、怖いなと思ったりするんだけど。長時間でなくても、一時でもギュッと愛されて育った人は強いんだと思う」

松本「私は一番下だったから、すごく自由にしていたのね」

石川「かわいがられて育った感じがするけど」

松本「かわいがられた(笑)愛されて育ててもらえた。てんこもり♥だからいまだに自分のことを梨香って言っちゃう(笑)。結局、人が好きなんだよね〜。生き物すべてが好き。アッ、この柚茶みて。柚がカップに入っているよ。融通が効くようにって(笑)」

石川「そこで笑いを取らなくてもいいから(笑)。でもそのね、そのサービス精神が松本さんよね」

松本「なんかさ、誰かの役に立ちたいと思う傾向があるんだよね。だから作品を作る時でも、聴き手のことは一番に考える。媚びを売るというんじゃなくて」

石川「それは真っ当な考え方です」

松本「自分がこれを歌いたいとかこれが好きっていうのはあるんだけど、嫌いはないのね。だから広い視野で見渡せるというか、自分が今はこういう気分だからということよりも、みんなが今これを欲しているんだったらそれでいいと思えるんだよね」

石川「そういう考え方が根付いたきっかけはあるの?」

松本「昔から。小さい頃から家でも学校でもムードメーカーって言われてた。元気すぎて、目立っていたのね」

石川「逆に自分の中でこれはダメというのはある? これは主義には合わないとか」

松本「う〜ん、嘘つきはダメ。すごくシンプル。ミスをしても正直に言って欲しい。もちろん言い方なんかは気を遣って欲しいと思うけど、嘘はついて欲しくない。嘘はダメっていうのは、子供の頃から親によく言われていたし・・・。 あとはうちのお兄ちゃんに障害があったからかもしれないけど、人に対しての思いやり、やさしさのない人は好きじゃない」

松本「あと兄の存在があったから、口には出さなくても、その人の仕草とか視線とか、そういうところで相手が何を考えてどう思っているのかっていうのをすぐに察知する能力に長けたんだと思う。真の友情、人とのつながり、そういうものを兄のおかげで学べた気がする。梨香はファンの人たちに対しても本当にこのままなので、握手会で人生相談をされたりすることもある。そういう時でも、変わらず自然に対応したいと思うんだよね」

石川「ファンにとってみれば握手会が唯一の場だったりするもんね。松本さんは色んな事に気づきやすい分、傷つきやすいんだと思うけど、そういう人って心の揺れ幅が大きいわけでしょ。どうやって感情をコントロールしているの?」

松本「人と会うことで元気になる方が多いかな。特に地元の友達や気心の知れた友達と会って、飲んだり、話を聞いてもらったり。それでちょっと気持ちが落ち着いたりする」

石川「わかる、最近、私もそうしているから。自分一人の中で感情を収めようとするよりも、人と会った方が早く傷口が癒えるというか、気分転換できるんだよね。でも私の場合、イヤな人はイヤっていう感じだから(笑)」

松本「自分が苦手な人かどうか察知するの早いでしょ(笑)」

石川「そう、そんなに話してなくてもすぐわかるんだよね。それで距離を置く(笑)。でもこういう性格だから、今の仕事に向いているのかなと思ったりもするし」

松本「それはあるかも。表現ってメンタルな部分で支えられているところは大きいから、繊細な人でないとやっぱり表現が大雑把になると思うんだよね」

石川「確かに感情の振り幅が大きい人の方がパッションを感じるね。歌がすごく上手だったら魅了されるかっていうとそうじゃなくて。最終的にはその人の放つエネルギーなんだよね」

松本「命っていうエネルギーが燃えているか、燃えていないかっていうだけの話。人はそこに感動するんだよね」



石川「ところで、10年前に今の自分って想像できた?」

松本「全然。10年前っていうとちょうど私がラジオの「サタデーホットリクエスト」のパーソナリティをやっていた頃でしょ。その時に石川さんがゲストで来たことがあるって話、なんで今まで教えてくれなかったの(笑)」

石川「だって話す機会がなくて。ソマリという名前でピアノを弾きながら歌っていた時の古い話だし(笑)」

松本「たぶん私、その時のCD持っているよ。あの頃から10年か、元もと10年後の自分を想像して、何か目標を立てたりする方ではないからなのかもしれないけど、自分の中では当時と今とあんまり変わってない気がするのね。ただ精神的には今の方が「淋しい」と思う時が多くなっちゃった。がむしゃらな時期は過ぎたせいなのか、それはよくわかんないんだけど」

石川「わかる。淋しいとか、孤独とか」

松本「うん。自分では今も昔も変わっていないつもりでも、下の世代から見れば先輩なわけで、それこそ仕事が終わった後に「ご飯食べに行こうよ」って気軽に誘っても「いいんですか」って感じで、すごくかしこまられちゃうんだよね。かといって同世代の人からは「あの松本梨香さん」というような立ち位置で扱われるから、なかなか気さくな関係にはなれなかったりするときもある。以前よりも居心地が悪いかも。私はざっくばらんに付き合いたいと思っているのに、頑張って仕事をしてキャリアを積めば積むほど孤独になっていく感じ(笑)」

石川「私はもう、それはある程度、仕方ないかなと思っている。イベントの時なんか私が上の世代になることが多いでしょ。そうすると同じ出演者の人達が楽屋に挨拶に来てくれるわけ。でもさ、一人ぐらい挨拶に来ない子がいてもいいのになって、そしたら一体その子はどんな子かなってワクワクするんだけどね(笑)。何と言うか、土足で入ってきて欲しいみたいなところがあるのよ(笑)」

松本「わかる。アフレコの現場でたまに失礼なヤツとかいるんだけど、でもそういうヤツと仲良くなるもん。注意されてひねくれちゃう子はダメなんだけど、素直に話をきけて、でも自分を持っているみたいな子って、ちょっと失礼なところはあっても、とてつもなくエネルギーを持っていたりするんだよね」

石川「松本さんにとって、本物だなって思う人ってどんな人?」

松本「偽物とか本物って分けたことある? 私はそういう感覚ってあんまりないんだけど、魂のある人ってことかな」

石川「そんな感じ。そういう人と出逢ったことはある?」

松本「昔、大病をしたことがあって。この間、亡くなられた井上ひさしさんのこまつ座の「雨」という作品に出ていた時に、その頃はいつか自分が座長になって芝居をやりたいとか、主演女優賞を取りたいとか、そういう希望を持っていたんだけど、でも病気になって当分舞台には出てはいけないというドクター・ストップがかかっちゃって。目の前が真っ暗になった時に、俳優の名古屋章さんとか周りの先輩たちが「演じられるのは舞台だけじゃないよ!マイクの前で演じるラジオドラマだってあるって、芝居が好きなんだからやってみたらいいじゃないか」って勧めてくれたの。それがきっかけで声のオーディションを受けたら受かったの。その時に私を見つけてくれたディレクターが私にとっては、大切な出逢いだったと思う。亡くなられてしまった名古屋章さんもそうだけど、本当に周りの人々に助けられてここまでこられたんだと思うんだよね」

石川「それはまさに人生を変えた出逢いだったね」

松本「それからは3年で主役をゲットできるように頑張ろうと思って集中して取り組んだよ。石の上にも3年って言うし(笑)、それが叶わなかったら、声の仕事はスッパッリやめようと心に決めてた。そしたら主役の仕事をいただけたの。その頃には体調も良くなっていて、また舞台に復帰できるまでになっていたから、この主演を演じ終えたら声の仕事はやめて舞台を中心にと考えていて、周囲にもそう話していたのね。でもそんな時にお世話になっていた制作会社の方から、主演の話があって、いろいろ考えました。私の中でも、声の仕事って自分が考えていたよりもずっと奥が深いなって感じていた時期でもあったし、主役をやったら終わりっていうようなものじゃないなって思いがあって。ちゃんと消化しきれていない感じが残っていたから、その仕事を引き受けたのね。まずは仕事の依頼があったことに、感謝すべきだなって気持ちが大きかった。そしたらその仕事をしたことで、自分の道が広がったんだよね。それまでは自分は器用な人間ではないから一つのことしかできないと思い込んでいたんだけど、そうでもないんだってこともわかったし、声の仕事も舞台の仕事も表現というところでは変わらない、すべてつながっているんだっていうことにも気づけたのね。しかもアニメーションで声の仕事をさせていただけたことで、そのテーマ曲を歌わせてもらうこともできたりとか、演歌も歌わせてもらえたり(笑)。色んなことをやってこそ自分なのかなって思うようになったんだよね」

石川「なるほどね」

松本「兄が好きだったアニメとか戦隊モノに私が携わることができて、お兄ちゃん孝行もできたかなと思って。「仮面ライダー」はずっと男性がテーマ曲を歌っていたんだけど、女性初で歌わせてもらえたのね。でも多くの女性アーティストがいる中で、何のしがらみもなかった私の名前が挙がったことがすごく不思議で。きっと兄が飛び回ってくれたんじゃないかなって思ったぐらい。でもそういう体験って他にもあって、お芝居の仕事がしたいなって思って仏壇に手を合わせたら、数日後に父が昔、舞台で使っていた十手が出てきたのね。そしたら1ヶ月後には十手を持つ父がいる娘の役を演じることになって・・・。その時はもうびっくり。天国にいる家族がずっと梨香のことを守っていてくれている気がするんだよね。いつも家族が自分の周りにいて、梨香はみんなを背負っているイメージ。自分一人で生きているんじゃないって、自分の中で言い聞かせている」

石川「それだけ愛されて育ったんだよ」

松本「家族だけじゃなくて、最初にマネージャーとして付いてくれた子がもう亡くなっちゃったんだけど、その子もいつもそばにいる感じがするのね。シングルを出すことになった時に、タイアップが付かなくて発売が延び延びになっていて。で、ようやく発売が決まったんだけど、偶然にも発売日がその子のお葬式の日だった。それ以降、野外での仕事の時に雨が降らなくなった。土砂降りで降っていてもピタッと止んじゃう。不思議でしょ?なんか守ってくれているような気がするんだよね」

石川「実際に天国にいる人達がそばにいる、いないはわからないけど、でもそう感じられるってことは、たくさんの人に愛情をもらって生きてきたからなんだと思う。自分が病気で死と向き合った経験があるからこそ、今の自分は生かされているみたいな感じってある? 生かされているからこそ、表現者として何かをしなくてはならないみたいな」

松本「それはあるね。人の役に立ちたいという気持ちはそこからきているのかもしれない」

石川「やっぱり松本さんは覚悟が違う気がする。ステージに立つ、表舞台で仕事をする人に必要な覚悟がある。だからブレないし、潔い。私の好きな人ってみんなそういう人なんだけどね(笑)」

松本「そういってもらえるとうれしいです(涙)」

石川「まぁ、淋しいっていう問題は今後の2人の課題ということで(笑)。たぶん舞台の仕事が終わったばかりだから余計に淋しいと感じるんじゃない!? 私は「間」がある時は「魔」だと思っているのよ。淋しいの「魔」がやってくる時期だって」

松本「そういう時はどうしているの?」

石川「「そうだ、京都に行こう」と思ったら京都に行く(笑)」

松本「そんな行動力ない。みならいたい。梨香は休んでいるよりも、仕事が入っている方がいい。自分でコツコツと家で何かをやるのは苦手なので、みんなと一緒にいて、仕事をしていた方が余計なことを考えなくていいというか。目の前の仕事をクリアすることに集中できるしね。日々、仕事をしていることが鍛錬になる」

石川「歌もそう。唄わないとヘタになるから唄っていた方がいいんだよね。仕事をしていると頭が活性化されているから、逆に他のことも考えられる」

松本「ワークとジョブは違うということかな」

石川「いいこと言う」

松本「仕事は24時間やっていないとね。別にどこかに行って何かをするっていうんじゃなくても、アイディアを考えたりすることは日々、やっていないとダメ。でも作業は決められたことをするだけだから・・・」

石川「思考の持続は大事。私はお正月の時期のようにちょっと休みがある時がダメ。マイナス思考で頭が動き出しちゃうんだよね」

松本「なんか今日は身になる話ができて、良かったぁ〜♥(笑)。明日からまた元気にやっていけそう。同じ時代に生きているし、同じ世代だから分かり合えるところかあるんだろうね。感じることが似ているのかもしれない。梨香より石川さんの方が姉御肌かもしれないけど」

石川「私はよくそう言われるんだけど、でもこう見えても次女で相当、甘えて育った人なんだけどね。はっきりと物を言うからそう見えるのかもしれませんけど、本当は毎日、甘えたい(笑)」

石川「私も松本さんもガッといく時はいくんだけど、落ち込む時はどこまでも落ちるタイプでしょ。自分で落ちたなっていうのがわかるからね。でも私の場合、そういう時にここぞと詞を書いたり曲を作ったりするから」

松本「でも幸せな時はあんまりいいものができないっていうよね」

石川「わざと落ちたりもするんだよね。そういう作品を求められたりする時には。トラウマを引っ張り出してきたりして、詞や曲を作ったりするの。私みたいなタイプって、すごく明るいかものすごく暗いかで、真ん中がないんだよね」

松本「同じだ、真ん中がない!みたいな(笑)。男の人は大変らしいよ、こういう女の人と付き合うのは(笑)」

石川「そうかもね、相手は疲れるかも(笑)。でも私が男だったら、松本さんと付き合ったらもう他の女の人じゃもの足りないと感じる。いくらいい子で尽くしてくれる子でも、松本さんといた方が面白いからさ」

松本「そう言えば母にも言われたことがある。梨香と付き合ったら絶対、他の女性と付き合えないよ、だって面白いもんだって。親が言うんだからすごいよね(笑)」

石川「ところで今、一番癒されるのは犬? 犬に「ご飯」ってしゃべるように訓練したんだもんね。楽屋でその話を聞いて、すぐに松本さんのブログをチェックしたら、本当に「ご飯」ってしゃべっていて」

松本「犬は2匹で5歳と4歳。かわいいよ」

石川「うちの猫で13歳、ちょっとやそっとの付き合いの人間よりも、猫との方が長い時間を過ごしている。だから私のすべてを知っている猫なの(笑)。犬は人につく、猫は家につくっていうけど、犬に比べると猫は距離を置くからね。それがいい時もあるし、淋しい時は犬みたいにくっつきたいなと思う時もあるし(笑)」

松本「私は自分を犬の生まれ変わりだと思っているから(笑)。子供の頃、何かもらうとすぐ匂いを嗅ぐし、うつぶせが好きでうつぶせでいると落ち着く習性があったりする(笑)」

石川「私はわりと猫っぽいって言われる、自分ではわからないんだけど。さっき松本さんが嘘はダメって言っていたけど、動物は嘘をつかないからね。嬉しい時は嬉しい、怒っている時は怒っている、その誤魔化しがないところに癒されるのかもね」


 ライター:川崎直子
 カメラマン:青木武史

松本梨香 プロフィール

所属:サンミュージックプロダクション
舞台やテレビ、ラジオを中心に幅広いフィールドで活躍し、アニメ「ポケットモンスター」のサトシ役としても子供達から愛されている。アーティストとしての定評も高く「めざせポケモンマスター」はWミリオンヒットを記録し、仮面ライダー龍騎の主題歌ではシリーズ初の女性ボーカルを務める。
最近では自ら立ち上げた「まんまるプロジェクト」でチャリティー活動にも積極的に力を入れている。

秋には、毎年恒例のチャリティライブやジョイントLIVEも企画中!
2011年5月公開予定映画「ルパンの奇巌城」の出演も決まっている。

松本梨香オフィシャルブログ
「Jolly Dog」 http://ameblo.jp/ricachanhouse/




《Letter of thanks : 松本梨香さま》

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