この日は撮影前から一部スタッフの間で物議を醸していたシーン74。尾崎家の張り込みをする安藤刑事のシーンだ。前述のとおり、尾崎家の前に道がありその先は海である。張り込みをするにも身を隠す場所がない。では、どこから張り込みをするのか？
ロケハンをした監督がひらめいたのは、海に浮かぶイケス。

イケスに漁師さん達が道具をしまっておく小屋が建っている、というか海に浮かんでいるのだ。なんと安藤刑事は海に浮かぶイケスから尾崎家を見張ることに。

なにか動きがあったら安藤刑事はどうやって尾崎家へいくのだろう？なんていうヤボな突っ込みはなしに、撮影は進められる。
お芝居は、安藤刑事の見た目の尾崎家の芝居がメイン。そのため、カメラやスタッフも当然のようにイケスの上に。だがこの日は運悪く大時化で波が高く、どうなることやらという周囲の心配もよそに、結果は臨場感ある画が撮れるという偶然の産物になったよう。