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INTERVIEW
インタビュー
工藤夕貴さん 時任三郎さん 西島秀俊さん
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工藤夕貴さん インタビュー
まっすぐに生きることを教えてくれる映画。
Q.ツヨシ役の小清水一揮くんに関しては、共演者としていかがでしたか?
 
すごい才能豊かで。よく役者が役者に食われるとか食われないとかいう言い方をしますけど、私はそれを信じてなくて、相手が良ければ絶対自分も良くなる、自分が持ってない力が出て来ると思うので、やっていて楽しかったです。たとえば防波堤のシーンで、私がじっと後ろ姿で海を見ているときに、ぎゅっと手を握ってくるんですが、ただ、握らなきゃいけないから握るっていう握り方じゃないんです。気持ちのこもった握り方ができる子役さんなんですよね。だから私もこみ上げて来て。顔は映ってはいないけれど、空気感というのも画像に出て来るから、そういう点では小清水くんはほんとにすごくいい感性を持っている、とってもいい役者さんだったので、ほんと助かりました。
 
Q.岡本利夫を演じる西島秀俊さんに関しては、どのように感じましたか?
 
独特の雰囲気と世界観を持っている人で、西島さんだから利夫が成立するようなところがあったと思います。朴訥としたしゃべり方で私自身のなかでは西島さん以外では利夫は考えられないという感があります。自然体の役者さんで、すごく魅力的な俳優さんだなと思いました。
 
Q.修治役の時任三郎さんに関しては、いかがですか?
 
ずっと前に『柳生十兵衛』という年末の特別ドラマで共演させていただいて以来の久しぶりの共演だったんですけど、時任さんの感性に救われたというか、最後のクライマックス・シーン、時任さんじゃなかったら絶対あそこまで自分が出せなかったんじゃないかと思います。時任さんは変化球のある人で、台本に書いてある以上のものを表現することを厭わない方。私も、自分達の感性がパッと生きることって凄く魅力を感じるほうで。監督もシーンの大事なポイントだけは説明して下さって『出し切って好きなことやってください』と言ってくださった。そう言われると、俄然役者さんて張り切ってしまうもので、そこからがーっと盛り上がってきて‥。答えを先に探さなかったんです。きっといいものが出来るというのを信じて。ああいうシーンだからこそ、その時にしか出ない空気感、生ものの感情というのが大事なんじゃないかな、と。あのシーンは時任さんでほんとによかったと思ったし、そういう感性と技術と瞬発力を兼ね備えている希有な男優さんだと思います。4年間待って良かったと思わせるだけの魅力もあって。だから、(修治役は)あの人ならではじゃないかと思いますね。
 
Q.ロケ地、呼子でのエピソードがあったらお聞かせください。
 
いっぱいあるんですけど(笑)。地元の漁師さんにイカの釣り方を教えてもらって、最後にたった一回かかったイカに墨を吐かれて逃げられたり(笑)。漁師さんがとったタコを、さばき方を教えてもらって初めて自分でさばいて、トマト煮にして、地元で行きつけのイタリア料理屋さんから差し入れしてもらったパンと一緒に、みんなで海を見ながら食べたり。あんなにおいしいと思ったイカを食べたのも呼子が初めてだったし、地元の方々が本当にあたたかく私たちを迎えてくださって、沢山いい思い出になっています。
 
Q.いい思い出のあるその海にクランク・アップのときに飛び込んだそうですね。
 
撮影中ずーっと泳ぎたかったんですよ!あんまり水がきれいで。最終日、九州で一番冷え込みが激しい日だったんで、これは泳げないな、と思っていたら、新人マネージャーのシバヤマくんが、クランク・アップと同時に『お疲れさまでした!』と水の中に入ったんです。私にダメ出しをするために入ったらしいんですけど、『ダメでーす!』と言いながら顔がニコニコしてるんですよ。次の瞬間にはもう上着脱いで、タンクトップとスパッツに着替えて、運動靴履いて、海の中に飛びこんで。その後、次々と人が飛び込んだんですが、私だけでしたね、泳いでたのは(笑)。
 
Q.これから映画を観る方へのメッセージをお願いします。
 
最近、自分にないものを再認識させられる映画がすごく増えているような気がするんです。かっこいいし、素敵だけど、『ああ、こうだったら良かったのにな』と思ってしまう。でも『春よこい』という映画は、無いものをねだらずに、『ああ、私、このまま一生懸命自分の人生を生きていればきっといいことがあるんだ』って思わせてくれる映画なんですよね。背伸びをせずに、自分が持ってないものを、持ってないことを嘆かずに、まっすぐに生きることを教えてくれる映画。そういう意味ではすごく勇気をもらえる映画じゃないかなと思うので、世代を越えていろんな人達に見てもらえたらと思います。今を一生懸命生きることが将来幸せに繋がるということを感じさせてくれる映画ですので、是非、この映画を見て元気になってもらえれば、と思います。
 
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