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INTERVIEW
インタビュー
工藤夕貴さん 時任三郎さん 西島秀俊さん
時任三郎さん インタビュー

親子愛、家族愛という普遍的な愛情をテーマに描いた映画
  誤って人を死なせ、愛する家族を残して逃亡する尾崎修治、という難しい役柄に挑戦した時任三郎さんに、役作りの努力やこの映画への思いをうかがった。
 
Q.尾崎修治という役を、どのようにとらえて、どのような気持ちで演じたか、というところをお聞かせください。
 
何で事故が起きた時に、そのまま逃げてしまったのかとか、4年間何で出て来なかったかという修治の精神状態を読み取ることがものすごく難しくて。ただ、ひとつだけはっきりしているのは、自分の思いを人に伝えることが凄く苦手な人間だな、ということ。それははっきり把握できたんですけども、それ以外の部分では、修治の気持ちって一体どんなだったんだろうか、と考えるとすごく難しかったです。特に言葉少ない役でしたから、台本に書かれている言葉から、どんな風に修治が生きているのか、ということをとらえるのが分かりにくかったですね。(役柄に)共感できるように最大限の努力はして、たとえばセリフも含めて監督とかなり相談しましたし、様々な努力はして、自分なりの修治像というのを作り上げてきてます。
 
Q.役作りに苦心されたなかで、印象深いシーンとか、難しかったシーンがあったらお聞かせください。
 
全シーン難しかったですね。ひとつひとつが大変だったので、そういう意味では、どのシーンも思い入れはあるので、全部自分にとっては大切なシーンです。全部が好きだし、全部が大変なシーンでしたね。
 
Q.工藤夕貴さんと共演なさっての感想をお聞かせください。
 
工藤さんとは共演したことがあるんですけども、それもずいぶん昔の、彼女がまだ少女の印象が残っている、そういうかなり昔だったんで、時を経て、“いい女”になったな、という印象でした。全て回りにいる人を受け入れる懐の大きさみたいなものを獲得したという印象がしました。芝居に関しても、テストでやらなかったことを本番でしかけてもちゃんと対応してくれるし、そういった意味ではものすごく巾広い人になったな、と。いろんな人生経験積んで来ている分、とても深みがあって、演技のひとつひとつに、いろんな思いをきっちり載せて、こっちに芝居として伝えてきてくれる、という感じがしました。
 
Q.新聞記者・岡本利夫役の西島秀俊さんに関してはいかがでしたか?
 
西島くんとも、かなり昔に共演していて、今回、ほんとに久しぶりだったんですけども、なんか前回会ったときと変わらない若さを持っている人だな、という気がしました。不思議と年齢不詳のところがあって、それがとても魅力的に芝居に出て来ているという気がします。
 
Q.ツヨシ役の小清水一揮くんについてはいかがですか?
 
いろんな要求をされても、それをひとつひとつちゃんとこなしていける技量を持った人だなと感じました。子供っぽくないところもあったりするんですけども、完全にそうか、というとそうでもなくて、子供っぽさも持っていて、ちゃんと芯がある大人っぽさと、両方兼ね備えた人だ、と思いましたね。
 
Q.ロケ地の佐賀、呼子の印象をお聞かせください。
 
修治の出番は、集中的にまとめていただいていて、そんなに長くはなかったのですが、食うものはうまかったですね〜。新鮮なものを食べて、食事はもう最高でした。(名物の)イカは、お土産にも生きたままのやつを買って帰りました。
 
Q.漁師の役や海に関わる役が多い時任さんですけども、これまでもいろいろな海を見て来た中で、呼子の海に対して、どのような印象を持ちましたか?
 
撮影した入り江というのは、ものすごく自然が守られた土地という感じがして、結構風の強い日もあったんですけど、それでもあそこの湾の中は波が静かで、すごく平和的な穏やかな場所でした。漁師としては、最高の場所ですね。外では高い波だけども、戻って来たら平和な場所に戻れるという。漁師にとって、すごく安全な場所という印象がありました。
 
Q.時任さんの中では、修治は幸せな時期、漁師として毎日そう感じていたんだな、という‥
 
役作りのなかで、自分のイメージというのは大切ですからね。
 
Q.これから『春よこい』をご覧になる方々へのメッセージをお願いします。
 
誰もが感じてる親子愛、家族愛という普遍的な愛情をテーマに描いた映画で、どんな立場の人が見ても、どれかの役に感情移入できるんじゃないかな、と思うので、是非是非、その愛を見に来て欲しいな、と思います。