Naming
K2名前由来
K2というネーミングは、当時の開発技術者2名の頭文字(日本ビクター技術者 桑岡氏、ビクタースタジオ技術者 金井氏)を取ったのが由来です。
Development Circumstances
K2の開発経緯
K2開発のきっかけは、音楽メディアがアナログレコードからデジタルのCDへ移行する時期において「デジタルは0と1の符号の組み合わせだから何度コピーしてもデータ的には一切変質しないので音色の変化はない」という当時の常識に、ビクタースタジオのレコーディングエンジニア達が異論を唱えたことから始まります。理論的には変わらないはずだが、コピーされる前のオリジナルマスターの音質とコピー後のサブマスターの音とは明らかに違うというスタジオエンジニア達の訴えに、その原因究明にJVCケンウッドの技術者が真正面から取り組みました。後にデジタルのデータそのものは全く同じでも、そのデータを記録・読み取りする際の電気的な歪み(ジッター、リップル)等が、音を再生するデジタルからアナログへの変換時に悪影響を及ぼし、結果として音質的な変化をもたらすということが実証されました。この時の音質変化改善を目的に両社によって開発されたのが「K2インターフェース」でK2の元祖となっています。
Development Background
K2の開発背景
K2は民生機器メーカーのハード側技術者と音楽制作のソフト側のスタジオエンジニアによって共同開発されました。実際の開発現場では、ハード側技術者が設計試作したものをスタジオエンジニアが音質評価をし、ソフト側エンジニアが希望する音の方向性や改善点をハード技術者が具体的な設計に反映して具現化するというキャッチボールが行われてきました。

これは料理の世界に例えると、食材の産地や鮮度がいくら良くても実際に調理されて食べたときに美味しくなければ料理の本来の評価には値しなく、また味だけが総てではなく使っている素材も重要であるということに似ているかもしれません。食材を厳選出来る経験豊かなシェフが調理し、その味を客観的に評価し更に高めていくことで最高の料理は出来上がるのでしょう。 音の評価もまさに同様で、理論やスペック、回路・部品が理想的で極上でも実際に音として良く聴こえなければ評価に値しません。しかもそこで判断される音質は「音」ではなく「音楽」です。それぞれの分野のプロフェッショナルが一体となり、開発と進化し続けるK2。他メーカーでは出来ない音質と音楽の伝わり方を熟知したソフトとハードのエキスパートが一体となった理想的な開発環境を持っています。

Development Principles
K2の理念
K2は音質をいたずらに派手に加工したり無理な誇張はしません。開発コンセプトが「元(オリジナル音源)と同じにする」ということを踏まえ、あくまでもオリジナルのそのままを忠実に再現することを理念としています。開発にあたり指針とされたのが「変質させない・オリジナルのまま」と「元の状態に戻す・復元する」という2つのキーワードです。それは今でもK2の基本となっています。