●『ソング・フォー・ア・グッド・サン』についてですが…
M:誰かにこの曲について聞かれるとは思ってなかったんで…
V:この辺で慣れときなさい (笑)
M:昔の知り合いについて書いた曲なんだけど…喋り辛いんだけど…小さい時に聞いていたサンディ・ダンディの歌へのオマージュ(賛歌)的な意味合いがあるんだけど…で時々この曲を聴いては笑ってるんだけど…というのもあまりにもオマージュ色が強いんで…
D:スーパーオマージュって感じよね
M:この曲ではグレッグ・リーズが素晴らしいペダル・スチール・ギターを披露してくれていて…特にこの曲ではペダル・スチールが忍び寄るモンスターみたいな音に化けていて
S:そうそう全然カントリーっぽい音じゃないの…
M:全くカントリーウェスタンのサウンドでは無くなっていて…グレッグ・リーズが奏でるスチール・ペダルの音にはかつて誰も踏み入れたことがない領域のサウンドを生み出す可能性を持っていると思う…
S:沢山のミュージシャンに(今回のアルバムには)参加してもらっているけど、グレッグ・リーズの様にめずらしくて同時に美しい音を奏でるような人もいて…ペダル・スチールなんて(私達のような音楽に取り入れるのは)難しい楽器なのに…それを更に違うレベルまでもっていけて…普通ならキュンとくるようなカントリーの曲に使われるべき音なのに…
M:だからとっても今回のこの曲の仕上がりには興奮したの…
●『ミックスド・メッセージ』についてですが…
V:これも前作から近作に到達するまでの間(解散してそれぞれの活動をしていた頃)に作られた曲の1つで…『ミックスド・メッセージ』はコンチネンタル・ドリフターズが録音した曲でもあるの…これをバングルスでやれたのはとても楽しかった…コンチネンタル・ドリフターズで既にやった曲だったけど、バンド(バングルス)としてどんな風な音楽的なアプローチをしたらいいか分からなかったの…この曲は時間をかけて作った曲で、どんな風に完成したのかっていうのは未だにはっきり覚えてないんだけど…本当にスタジオワークの最後の日で時間がなくなってきてる時で、バックグラウンド・ヴォーカルをいれる曲が数曲残っていて…みたいな状況でみんな焦っていて…みんな疲れきってたし、今日完成しなければっていうプレッシャーも感じてたし…
S:予算もなくなってきてね…(笑)
V:スタジオ最後の夜に…神様が私達を助けてくれたって感じで、数曲ヴォーカル入れができて、確かあの夜に『テア・オフ・ユア・オウン・ヘッド』のヴォーカルもいれたんだったと思うけど…『ミックスド・メッセージ』のバックグラウンド・ヴォーカルもいれたんだけど、今でもあの曲を聞くと笑っちゃうのよね…っていうのも…(笑)
D:あまりにもカーペンターズっぽくなってるから…
S:カーペンターズが舞い降りてきちゃったの…すっごく疲れちゃってたし…
V:70年代初期のヴォーカル・バンド風のサウンドで、あまりバングルスが使おうとは思わないアプローチなんだけど(笑)、すごく自然にあっさりと出来あがっちゃって、それでも凄く良いサウンドに仕上がったんだけど…未だに聴くと笑っちゃうのよね…
S:実際にレコーディングしていた3時間はおかしいなんて思わないし、必死になってやっていた曲なんだけど、今こうやって改めて聴いてみると一体私達何しちゃったんだろう?って…(笑) 気でも狂ってたの?これって最悪のサウンドなの?それとも神業って感じなの?って (笑)
V:ほんとに紙一重よね…(笑)
●『ビトウィーン・ザ・トゥ』について教えてください…
M:これは古いけどいい曲って感じかな…
S:この曲がアルバムでは最も古い曲なのよね…作られた時期を考えたらね…これは80年代の作品でしょ?
M:そう。私がバングルスで最初に書いた曲だったと思う…自分の心の中にある全てをぶちまけるみたいな感じの曲で…えっと…なんか頭の中がすっかり空状態になってるわ…
遠い昔に書いた曲だから…ほんとに…困ったわ…
V:じゃあ私が代わって話すは…これはライブでプレーするのには私が最も気に入ってる曲の1つなの。思いっきりプレーできる曲だし…
M:基本的なコード進行は…
S:とてもフォークっぽいサウンドよね…
V:フォークロックっぽいよね…
M:フォーク調のコード進行がバンドがプレーすることでパワフルなサウンドになったって感じで…この曲をリハーサルしてる時にブラッド・ウッドがスタジオに初めて尋ねてきて、『うわぁー』って感じで…彼は気に入ってくれて…私も気に入ってる曲なんだ…
●『グレイトフル』についてですが…
S:この曲はバンドが『リターン(再来)』する少し前に私が書いた曲なんだけど、バンドでやってみていい感じに仕上がったと思う…この曲も私の友人で子供がいる人と書いた曲で、現状に感謝することを忘れないように・・みたいな思いを込めてるもので…
いまある命に対して感謝する気持ちとか…曲の一部にチャントになっている部分があるんだけど、スタジオでバンドのメンバー全員で歌って、デイブ・グロールがやってきて…
D:彼はバングル・ボーイズ・クワイアの一員なんだけど…(笑)
S:ジョン・クルックも…
M:この曲で始めて男性のヴォーカルが入ったんだけど…
S:アルバムの最後には相応しい曲だったと思う…っていうのも私達はバングルスとして
ミュージシャンとして、家庭を持って…色々なことで恵まれていると思っているから…
D:とってもポジティブなエンディングよね…
<<テープを変えるため撮影一時中断>>
●2曲の日本盤ボーナス・トラックについて
V:その2曲は初めて一緒に録音をした2曲でもあるんだけど…1981年のクリスマスにリリースしたレコードに収録された曲で…日本盤にこの2曲をいれることで前にも話したように、バングルスのルーツに戻り、それを継続させていくみたいな意味合いを持たせたかったから…話しに聞いたところではもうそのアルバムは廃盤になってるみたいだから…(笑) なかなか手に入らないものみたいだし…
M:eBayだったら探せるかもしれないけど…
V:結構な値段がついてるかも…(笑)
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