●もうちょっと幾つか質問したいんですけれども…若くして最も成功した女性バンドってことで今振り返ってみると成功っていうのはどのようなものだったんでしょうか?
V:成功に対しては感謝してるし、そこに至るまでい私達も一生懸命努力したし…バンドに殆どを捧げてたし、そういった成功をその当時得たことで、今、またそこからスタートできることが出来たんだし…良かったんだと思う。私達が多く人の人生の一部になれていたんだな…って実感するようになって…結婚式や高校時代に試験前に勉強していた時に聴いていた曲…みたいな話を聞いて感動したり…
S:当時小学生だったとか中学生だった…っていうファンがいたりするんでちょっと怖い気もするんだけど… 私そんなに年とったっけ?って…でもそれでも嬉しいの…
M: とってもハンサムな青年がやってきて『僕が10歳のときにアナタに夢中だったんです』って言われて…『あぁ…ありがとう…』ってしか言えなかったもん…
●ガールズ・バンドもバングルス以降沢山登場してきた訳ですけれども、
S:本当に? そんなに沢山ガールバンドって出てきてないと思うんだけど…
Y:いかにもガールバンドっていう感じのバンドは出てきてないかもしれませんが…
確かにあなた達のフォロワーと言えるようなバンドはいなかったような気がするんですが、気に入ってるバンドやアーティストはいますか?
V:色んな音楽を聴いているからね…
S:私はシェリル・クロウの新譜が好き…
V:私も…
S:とてもいい作品になってるわ…
V:色んなアーティストがいるけど…
S:私はアヴリル・ラヴィーンも気に入ってる…
D:彼女は最高よね…
V:彼女の作品はよく仕上がってるわよね…
S:最高…
V:ずっと私は不思議に思ってきたんだけど…どうして女性だけで構成されたバンドが殆どいないのか…確かに男性と女性によるバンドもまた違った原動力を得て素晴らしいサウンドを生み出せるってことは分かるんだけど…それでもなんでこんなに女性だけのバンドっていうのが少ないのかそれは私にとってはミステリーなの…女性アーティストの多くはソロの道を選ぶことが多いし…或いは男性の入ったバックバンドをつけているか…
●それは女性バンドの前に立ちはだかる壁はまだ厚い、ということなんでしょうか?
V:多分まだガールバンドっていうのが目新しいものっていう感覚から未だに抜け出せていないのかもね…ヒットチャートの半分が女性バンドの曲で埋まるまではそういう感じのままなのかもしれないわね…ダーナみたいに長年頑張っていて成功しているバンドもあるけど…
S:ディクシー・チックス…彼女達もガールズ・バンドって呼べるのかしら?
D:そうなんじゃない?
S:彼女達も大好き…
D:彼女達も素晴らしいミュージシャンだしね…
V:それでもやっぱり未だに幻想みたいなものって見方がされてて…
D:当たり前のことって言うわけではないわね…
V:1987年に 『オールガール・バンドっていうのはどんな感じなの?違和感はない?』ってしょっちゅう聞かれて…
M:『女の子でいるってどんな感じ?』って聞かれるのと同じようなことで…
S:それしか知らないからわかんないわ…って(笑)
V:でも私達は他の女性メンバーとバンドを組むことを選択しただけで…ソロ・アーティストや男性と一緒にプレーすることも可能だったわけで…確かに女性だけのバンドをやるっていう選択をしたんだけれど…この4人のメンバーが1つの部屋に集まると特別なものが生まれるし…これから(オールガール)バンドが現れるのかどうか見守るのも楽しいし…もしかしたら他のバンドは現れないのかもしれないし…或いはそのほかのバンドっていうのは私達だったのかもしれないし…
D:リターン・オブ・ザ・バングルスっていうことで…(笑)
●また、あなたちのようになりたいと思っているバンドに何かアドヴァイスはありますか?
V:それはだめ…
D:私達の立場を奪われちゃこまるし…(笑)
M:家に帰れ!そのまま家でじっとしてて!(笑)
V:私達からアドヴァイスをあげるのは無理だと思う…自分の音楽を信じて頑張ってやっていて、いつかその夢を実現できるって信じていれば、本当に実現できるものだと思うし…
だから自分を信じて、精一杯努力して、最善を尽くすっていう他には何も言えることはないわ…
●80'sっていうのは何か特別な時代なんでしょうか?
D:ミュージシャンにとっては色んなことが起きた時代よね…
V:特別ってどんな意味で?(笑)
S:私は80年代にあったことで今から思うと恐ろしい…と思うこともあったわ…
ヘアースタイルとか、洋服とか…今になって考えると中には何であんなスタイルを取り入れちゃったりしたんだろう…っていうのもあるし…(笑) その当時は楽しかったのかもしれないけど…今になってはあの時に間違いを今回はおかさないように!って自分に言い聞かせているもん!ファッション的にはタブーなこともやってきちゃったけど…でもそれもバンドで活動していたせいでもあるんだと思う…あんな風にみんなちょっとクレイジーな格好をしたりしてたのも…(ヴィッキーに向って)あなたも色々やったわよね…?
V:私はフリークっぽい格好をしてたわ…
S:でも私達みんな基本的には60年代ファッションが好きなのよ…でも恐ろしい格好も
確かにあの当時はしてたわね…
M:でも私達は一度もレッグウォーマーは履かなかったじゃない…
S:(レッグウォーマーが)また流行りだしたみたいじゃない…
D:そうなのよね…リバイバルしちゃったのよね…
V:でも今回も私達は(レッグウォーマーは)履かないわよ!
M:チューブトップもまた流行りだしたし…
S:私達の一番最初のビデオ、『ザ・リアル・ワールド』のビデオじゃなくて、メジャーレコード会社と契約した後に出した最初のビデオ『ヒーロー・テイクス・ア・フォール』の最初のシーンで私達はストリートで演奏してるんだけど、あのシーンの映像は…
D:恐ろしいのよ…
S:本当に恐ろしいものがあったわ…
M:一体(製作者は)何を考えてたんだろう…
S:ボビーソックス履いて、手袋して…アクセサリー沢山つけて…
V:あの時代は他人によってスタイリングしてもらってた時代で…
M:まさに『これはしちゃいけない!』っていう例ばっかりだったわよね…
S:今になって振りかえるとすごくおかしいし、80年代そのものって感じ、ビデオも…
V:あの当時は本当に嫌だったんだけどね…
S:そうそう、あの当時はすごく嫌だったのよね…
V:私達が好んでやってるかって思われてるかと思うと…
S:そうそう私達が率先してやってると思われるのが嫌だった…
V:まさかね…(好んであんな格好してるわけがないじゃない! 笑)
D:でも私達が意見することは禁じられてたしね…
●80年代においてあなた達は女性バンドで見た目がゴージャスだったが故に、クリエィターとしては正当に評価されていなかったように思うのですが、ご本人達としてはどう感じていたのでしょうか?
D:よかったわ…これからは正当に評価してもらえるじゃない…(笑)
●例えばプリンスの曲をやったからということでプリンスが彼女達をビックにしたんだ…みたいな…。
V:その通りだと思う…
S:私達は単なるロックガレージ・バンドで、たまたまメンバー全員が女の子だったってだけなんだけど…
V:バングルスもバンドとして色々と『進化』していったので…
S:そうそう『進化するバングルス』だもんね…(笑)
V:最初はポップロック路線のステージをやっていたの、60年代のテイストをもったロックバンドって感じで…ホームメードの衣装を着てね…ダサいんだけど…クールみたいな・・
D:クールなダサさ…みたいな(笑)
M:これも紙一重って感じかな…(笑)
V:それから時代ともにもう少しデザイナーブランドの洋服なんかを着るようになって、そんな様子を評論家達はよく思わなかったみたいで…『彼女達は自分達のルーツとは逆に向ってる…』とか『…裏切り者』みたいなことを言われて…音楽自体も時間が経過するうちにもっとポップよりで洗練されてくると、それも評論家からは歓迎されなかったし…でも彼らはライブで私達がどんなに上手に楽器をプレーし、最高のヴォーカルを披露し、ステージでは洗練された要素はなく、元々のバンドとしての姿を見せていたっていうのを見落としていたのよ…そんな意味で私達は『良きロックバンド』っていう与えられるべき批評はもらえなかった…今後はそれが変わってくれるといいんだけど…今までだって私達は最高のリズム・セクションをもってるし…彼女達は今音楽シーンにいるどのセクションにも対抗できると思うし…
D:あぁ…良いこといってくれるわね…
V:本当のことを言ってるだけよ!本当に誇りに思っているのよ!(笑)
M:それに当時いたボーイズ・バンドの中には私達なんかよりももっと綺麗な人達がいたんだから…彼らの方が私達よりももっと濃いメークしてたし…
S:そうそう…私達はデュラン・デュランなんかと対抗しなくちゃならなかったんだから
D:ヘアースタイルもすごかったわよね…
M:ボーイ・ジョージもいたし…
S:私達も物凄い量のヘアースプレーを使ってたと思ってたけどね…(笑)
●今度の来日公演というのがなんとコンサートでの日本初来日という形になるということですが、来日に向けて日本のファンへのメッセージをお願いします。
V:初めて会える皆さんの前でライブをするのが待ち遠しいわ。プロモーションで日本に行った事はあるけど、コンサートをする機会はなかったので…
●2003年のその他の予定を教えてください。
M:すごく忙しい1年になりそう…今日もこのインタビューの前にミーティングがあったんだけど、どうやって普通の生活が送れるのか…ってみんなで悩んでたところだったの…
どうにかなるけどね…
D:上手くやりこなせるわ
V:まずは日本でCDがリリースされるのを楽しみにしてます…それからヨーロッパのツアーがあって、その後にアメリカでもツアーをする予定だし…色んなところに行く予定なの
●もう少し日本来日公演について教えてください…どんな内容になるんですか?どんな曲をやるんですか?バンドのセッティングはどうなるんですか?
S:多分昔の曲と新曲を色々ミックスしてやると思う。でもまだはっきり決まってないの。
M:私達にとってはかなり先の話なんで…
S:そうよね…(笑) よくキーボード奏者を追加してやるんだけど、基本的には4人メンバーでステージに臨むことが多いわ…
V:それから27人の殆ど洋服をまとってない男性ダンサー達…
M:それは秘密だったじゃない…
V:ごめんなさい…バラしちゃった…
●今回のライブ会場はあえて、どれもスタンディングでキャパシティも限られていますので、観客との距離もかなり近く、楽しみにしているファンも多いと思いますが…
V:それはよかった…私達はそういう会場が大好きだから…
D:そうそうそういうのが一番よね…
M:みんながスタンディング状態で向えてくれるのが最高だよね…
●来日で楽しみにしていることはありますか?
D:前回の来日からは相当の年月が経っているからね…スザンナは最近行ってるけど…
S:(この間のインタビューでは)去年って言ったんだけど、実は(日本に行ったのは)2年前だったの…とっても楽しんだわ…みんなで日本酒飲んだりして…
M:私は缶に入った日本酒が気に入ったわ!あったかいの…
D:そう蓋を開けたとたんに中味がすごく熱くなってるの…すごい発明よね!
M:サイエンス・フィクションみたいな話だけど…ほんとうにそういうのがあるのよ…
すごくクールだと思った…
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