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「TOUR No.0 -FINAL-」
スペシャルライブレポート@日本武道館

BUCK-TICKが、アルバム『No.0』を引っ提げ、2018年3月より開催したホールツアーと、10月より開催したライヴハウスツアーを締め括る“TOUR No.0 -FINAL-”公演を12月29日東京・日本武道館で行った。この『No.0』の世界観を表現する両ツアーでは、一瞬でその世界に没頭させるような今井寿(G)、星野英彦(G)、樋口豊(B)、ヤガミ・トール(Dr)による圧巻のバンドアンサンブルと、精神的にも肉体的にも身を削るように歌う櫻井敦司(vo)の姿が注目を集めていたが、この公演はまさにその集大成と言える。ステージは、映像や照明を駆使したホールツアーでの“観せる『No.0』”と、クラップやダンスで一体感を煽ったライヴハウスツアーでの“体感する『No.0』”の両方を融合し、より壮大で、よりダイナミックなものへと進化していた。さらに、この日は12月9日の公演後に体調不良を訴え、その後の4公演を延期することになった櫻井の復帰公演でもあった。この点ばかり注目されるのは、本人たちにとって本意ではないかもしれない。しかし、19年続いたこの“12月29日・日本武道館公演”の中でも、忘れ難い1日になったことは確かだ。日本武道館という大きな会場でありながら、メンバーとファンが心を一つにした、とても温かみのある慈愛に満ちたステージになっていたように思う。それは、この日、この場所が生んだ奇跡のような時間だった。

Live

ライヴハウスツアー各所のオープニングを飾った「ノスタルジア -ヰタメカニカリス-」をアレンジしたSEが、ステージ前面に貼られた紗幕にスチームパンクの映像と歌詞で視覚化されている頃、その奥のステージにメンバーがスタンバイ。紗幕ごしに時折聴こえる今井が鳴らすノイズ音が高揚感を掻き立てる。そして紗幕が落ちると共にスタートしたのは「GUSTAVE」だった。センターから真っ赤なレースの衣装に黒い着物を羽織り、軍帽を被った櫻井が登場すると大歓声が上がった。バックに炎の玉が上がった光景は、まるで蘇った不死鳥のように見えたが、「GUSTAVE」は猫の歌である。着物の裾を翻しながら猫の仕草をしてみせる櫻井のパフォーマンスや、煽るのに使った猫じゃらしを口にくわえたままギターをかき鳴らす今井、表情に笑みを浮かべたままプレイする星野や樋口、ヤガミの姿を見て、フロアのテンションが上がらないわけがない。猫の手ダンスでフロアが一体化した頃には、不安も心配も一掃されていた。そのままリズムを繋いだ「Baby, I want you.」、「美醜LOVE」とアッパーチューンで会場のボルテージをさらに引き上げた。

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「みなさん今晩は。どうもご心配をおかけしました。今夜は一緒にダンスしましょう」と、櫻井が不敵な笑みを浮かべて次曲に繋がるピースポーズをとると、歓喜の声が上がった。その次曲とは「光の帝国」のことだ。曲中、決めポーズがキマるたびに「フー!」と歓声が湧き上がる、この悪ノリ感(もちろんいい意味です)も今までのBUCK-TICKの世界観にはなかったような気がするが、30年以上のキャリアをもってして、未だいろんな壁をぶち破ってくれるのがBUCK-TICKだ。タイトでクールなサウンドとのギャップもまた面白い。

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オープニングから4曲目の「光の帝国」まではライヴハウスツアーで体感した熱量そのままだったが、その空気を一変したのは次の「Ophelia」と「サロメ -femme fatale-」だった。ここからの中盤戦はホールツアーで魅せたように、それぞれの楽曲がもつ世界観にどっぷりと引き込んでいく。「Ophelia」では、歌に寄り添ったたおやかなサウンドスケープの中、漂うようなパフォーマンスと儚げなヴォーカルでオフィーリア像を描き、フロアを赤く染めた「サロメ -femme fatale-」では、妖艶なかつ力強い歌声で激情の姫、サロメを演じた。ヤガミが轟音を打ち鳴らす「IGNITER」では、今井と櫻井のツインヴォーカルが生命力みなぎる眩い太陽を思わせたかと思えば、ヤガミと樋口のリズム隊が鳴らすトライバルなリズムが禍々しいオーラを放つ「月蝕」で陰の世界へと引きずりこむ。相反する2曲の対比が面白いのもこのセットリストの聴きどころの一つ。

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大きな満月をバックに、気高く雄々しく吠える「BABEL」と、三日月をバックに白いヴェールを頭からかぶった櫻井が今にも消えそうなほどに儚げに歌った「Moon さよならを教えて」も然り。アコースティックナンバーも、スパニッシュな「Cuba Libre」ではギラギラと照りつける太陽を、「Mr.Darkness & Mrs.Moonlight」ではミステリアスな月夜を描いていた。

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「もっともっと欲しい。僕の好きなコンサート…歌を…誰だい?取り上げたやつは。もっと欲しい、もっともっと欲しい」と、自身の身に降りかかった出来事をセリフにした櫻井の語りから始まったのは、七つの大罪をモチーフにした「BOY septem peccata mortalia」。ガーターベルトをした太腿も露わに、欲望をさらけ出すように歌う櫻井。その前に立って中指を立て続ける今井。樋口も上段のステージからフロントに降りてきて客席を煽り、その横で星野は髪を振り乱しながらギターをかき鳴らしている。そんなカオティックなパフォーマンスに、鳴り止まない拍手が贈られた。

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間髪入れずにヤガミがカウントを入れ、「薔薇色十字団 -Rosen Kreuzer-」でさらにフロアをかき回し、本編ラストの「Memento mori」へ。琉球音階のメロディに合わせてカチャーシーを踊る櫻井。元々このカチャーシーという踊りには、“喜びも悲しみもすべてかき混ぜてみんなで分かち合おう”という思いが込められているのだそうだ。フロアも一緒になって踊っているその光景は、まさにそのもの。ここにいるすべての人が、同じ喜びと同じ悲しみを経験して集まっているのだ。それはとても感慨深い光景だった。

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大歓声で迎えられた1度目のアンコールは、『No.0』の世界観をより濃厚に凝縮したものだった。鼓動とシンクロするリズムで生命の誕生に思いを馳せる「零式13型「愛」」を歌い終えると、櫻井は丁寧に3方向へお辞儀をし「ありがとう」と言葉を掛けた。「夢を見ました」という語りから始まった「ゲルニカの夜」では、三連のリズムと物悲しいアンサンブルの中、歌に登場する少年に戻ったような邪気のない歌とパフォーマンスにグッと引き込まれる。ホールツアーから変化したサンドアートと燃えるような赤い照明もまた、歌の世界をより深く表現していた。そして、全身全霊を込めて歌い上げた「胎内回帰」。曲の後半、櫻井のむき出しの歌と、樋口とヤガミによる生命力を感じる力強いリズム、感情を刻みつけるような星野のアコギサウンド、そしてすべてを包み込むようなメロディアスな今井のギターが、一体となって上昇していく感覚に心が震えた。

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2度目のアンコールで三たび登場したメンバーはリラックスした様子で、場内を撮影するなど笑顔を見せていた。遅れて櫻井が登場すると、「TANGO Swanka」、「狂気のデッドヒート」と再び会場を沸かせた。「今年も年末お忙しいのに、こんなにたくさんお越しいただき、どうもありがとう」と感謝の言葉を述べると、大きな歓声と拍手が沸いた。そしてメンバー紹介をした後のことだった。櫻井が「病室でみんなの……」と言ったところで思わず言葉を詰まらせる。歓声に後押しされて語ったのは、感謝の思いだった。「たくさんのお見舞いメール、励ましの手紙、本当にたくさんいただきました。この場をお借りしちゃってすみません」。延期になった公演について「みなさんにいい機会をもらったので、来年遊びに行きます」と詫びながら、最後に「スタッフとメンバー、何も言いませんがどうもありがとう。たくさんのLOVEありがとう」と語った。そして「感謝の気持ちを込めて歌います」と「鼓動」を披露。“生きていたいと思う 愛されているなら ごめんなさい ありがとう”。1995年のリリース当時はファンに向けて綴った言葉ではなかったはずだが、病気を経験した今、それはリアルな言葉となって目の前の一人一人へ、そして全国のファンに向けて届けられた。ラストに響いた美しいファルセットも力強く聴こえる。すべてを歌い終えると、深くお辞儀をして一人ステージを捌ける。その時、後を託すように今井の肩にポンと手を置いたのが見えた。今井がセンターに立ち、アウトロのバンドアンサンブルを牽引していく。途中、櫻井自身の原体験を歌詞に投影した「禁じられた遊び-ADULT CHILDREN-」のイントロのメロディを織り込んでいたのも印象的だった。随所で感じられたのは、揺るぎないバンド力。今さら言うまでもない言葉かもしれないが、互いを想い合い、リスペクトし合う様子をパフォーマンスの中で目の当たりにすると、やはり心が動かされる。ライヴハウスツアーではこの「鼓動」で締めくくっていたのだが、今井が元の立ち位置に戻り「きらきらぼし」のメロディを弾き始めた頃、櫻井が再びステージへ戻ってきた。そしてラストに演奏されたのは「夢見る宇宙」だった。“あなたに出会えた夜 僕は生まれた”の歌い出しは、再起の夜であったこの公演にリンクするし、生命の起源が宇宙であるならば、このツアーで描いた愛と死の循環を包括するにふさわしいナンバーだ。会場を包み込むような愛のこもった歌を聴きながら、アルバム『No.0』の一つの完成形を見た気がした。再びメンバー紹介をし、「みなさんどうもありがとう。よいお年を。たくさんの愛、どうもありがとう」と、もう一度感謝の言葉をフロアへ届ける櫻井。最後にステージを後にした今井はピースした手を高く掲げた。

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終演後、「THEME OF B-T」が流れる中、2018年を振り返るようにツアースケジュールとライヴ映像がスクリーンに流れた。その後、2019年5月25日(土)・26日(日)に幕張メッセでワンマンライヴ「ロクス・ソルスの獣たち」を開催することが発表された。BUCK-TICKが幕張メッセで単独公演を行うのは初のこと。巷ではすでにタイトルにある小説「ロクス・ソルス」について問い合わせが殺到しているそうで、また新たな現象を起こしているようだ。そして幕張2daysは、年末に定番化した“THE DAY IN QUESTION”や12年に一度のタームで過去3度開催されている“CLIMAX TOGETHER”に並ぶ伝説の夜になるに違いない。壮大な『No.0』の旅を終え、新章に突入するBUCK-TICKの未来を、また一緒に楽しみたいと思う。

Text:大窪由香

<セットリスト>

  • SE
  • 1.GUSTAVE
  • 2.Baby, I want you.
  • 3.美醜LOVE
  • 4.光の帝国
  • 5.Ophelia
  • 6.サロメ - femme fatale -
  • 7.IGNITER
  • 8.月蝕
  • 9.BABEL
  • 10.Moon さよならを教えて
  • 11.Cuba Libre
  • 12.Mr.Darkness & Mrs.Moonlight
  • 13.BOY septem peccata mortalia
  • 14.薔薇色十字団 - Rosen Kreuzer -
  • 15.Memento mori
  • <アンコール1>
  • 1.零式13型「愛」
  • 2.ゲルニカの夜
  • 3.胎内回帰
  • <アンコール2>
  • 1.TANGO Swanka
  • 2.狂気のデッドヒート
  • 3.鼓動
  • 4.夢見る宇宙

「ロクス・ソルスの獣たち」

2019年5月25日(土) / 5月26日(日)

千葉:幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホール

5.25(土) OPEN17:00 START18:00
5.26(日) OPEN16:00 START17:00

全席指定 ¥9,500(税込)

[チケット一般発売]2018年4月20日(土)10:00〜

※3歳未満入場不可/3歳以上有料
※客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合があります。予めご了承ください。
※公演日当日にチケットをお持ちでない場合、ご入場できませんのでご注意ください。

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