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Lingua Sounda レーベルサイト

SPECIAL

「獣たちの夜 / RONDO」
オフィシャルテキスト
Text:金光裕史

「ライヴのタイトルを今井さんが<ロクス・ソルスの獣たち>とつけたと聞いて、じゃあ同じタイミングで出るシングルは、ファンの人たちに向けて<30年間ありがとう>という気持ちと同時に、<これからも続いていく>という決意を自分たちに向けても唄えたらな、と思ったんです」(櫻井敦司)

その言葉通り、「獣たちの夜/RONDO」という対照的な2曲が収録されたダブルリードトラックシングルは、感謝と決意、そして今のBUCK-TICKを象徴する作品となった。

まず「獣たちの夜」は、そのタイトルにあるように、5月25、26日に幕張メッセで行われるライヴ〈ロクス・ソルスの獣たち〉を強く意識している。テーマソングと言ってもいい。

「<ロクス・ソルス>って、昔買ったレーモン・ルーセルって人の本から取ったんだけど、特に意味もないし、本も別に面白いわけでもない。でもイメージが溢れ出してくる感覚があったんだよね。だからライヴのタイトルにいいかなと思って、改めて調べてみたら<人里離れた場所>って意味があって。それ、異端児的な意味にも取れそうだから、面白いと思って」(今井寿)

その曲はまさに日本のロックシーンにおける異端児の真骨頂。アッパーなサウンドだが、よく聴くと、同じリフが延々と繰り返された、かなりイカれた構成だ。そしてその歌詞は<今夜演じきるんだ><それがお前だ>と、腹を括って自らを鼓舞しているかのよう。これは昨年末、ツアー中に体調を崩し、4本のライヴを延期した櫻井敦司の悔しさが現れているが、同時にそれは、BUCK-TICKのフロントマンであろうとする覚悟のようにも聞こえる。

「体調を崩して、ツアーを飛ばしてしまった自分の不甲斐なさが本当、嫌になって。お前の覚悟はそんなものか、と。ステージで倒れたって、やりきるのが櫻井敦司だろう、と。自分への戒めのような歌詞ですね」(櫻井敦司)

デビューから30年を数えたが、バンドとして、表現するものとして腹をくくり、ここからさらに走り続けていくことを改めて宣言する、そんな1曲になった。この曲も<ロクス・ソルスの獣たち>も、区切りではなく、新たなスタートを告げるものなのだ。

また「RONDO」は、当初、TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディング主題歌というタイアップを意識して作られるはずだったが、鬼太郎=いつもの風景に現れたちょっとした非日常、ととらえることで、ふたつの持つ世界観を一致させることができた。

「最初、<RONDO>にタイアップがついてたから、こっちがリード的な感じでいいんじゃないの?って話になってたんだけど、<獣たちの夜>もスピード感があって、こっちもBUCK-TICKらしい曲だから、ダブルリードトラックでいいんじゃない?って話になったんですよ」(星野英彦)

タンゴのリズムに乗って、サビの旋律が何度も繰り返される輪舞曲。<夢>という言葉が何度も繰り返され、ノスタルジアが押し寄せてくるような世界観。

「あっちゃんの詞の世界観と重なるよね。独自の世界を持って、ずっと貫いてるものがマッチしたんじゃないかな。生と死って人間の永遠のテーマだろうし、そこに愛も含めたものを、あのアニメは見せようとしてるんじゃない?」(樋口豊)

黒色すみれによるバイオリンとアコーディオンが、その妖艶さの裏側にある儚さをさらに高め、醒めない夢のような風景を現実に描いていく。「獣たちの夜」とは真逆だが、それも、このバンドがずっと描いてきたことだ。

生の喜びの裏にはいつか来る死への不安があり、その恐怖を打ち消そうと、光を探す。BUCK-TICKの楽曲にはいつもそれがあった。その両面を唄うことで、彼らの楽曲にはリアリティが宿った。それと同じだ。このシングルは結果的に、バンドの持つ両面を強く表すものとなった。

「今回のシングルは、2曲のコントラストがとてもいいと思うんだよね。対照的だけど、どっちもすごくBUCK-TICKらしいし、ポップなんだけど、よく聴いたらなんか変。だから飽きない。俺たちずっとこうだったな、って」(ヤガミ・トール)

そのことを改めて確認し、これから始まる未来へと、共に歩を進めていく。シングル「獣たちの夜/RONDO」とライヴ〈ロクス・ソルスの獣たち〉は、その始まりを告げるものとなる。

これが永遠であるように、そう願いながら。

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